nuro光(2Gbps)導入までの顛末。結果として得られた速度は最高でした
フリーとして働きはじめて今年で3年目。自宅が手狭となり仕事部屋をどうにかしようと、4月に近所のアパートを1室借りることにしました。1Kで20平米ほどの広さ。アパート自体は古いのですが、リフォームしたてだったので内装はかなりキレイ。湘南の片田舎なので家賃も安く、即決しました。仕事場を移すだけなので、機材などは今まで使っていたものを移動してもよかったのですが、なんだかんだで、ほとんど新調することに。ということで、事務所起ち上げに伴い導入した機材について今回から何回かに分けてレビューしたいと思います。

導入時の価格がかなり安くなるnuro光、どこから申し込む?

まず1回目の今回は、すぐにでも必要なネット環境です。自宅の回線はずっとNTTのフレッツ光でプロバイダーがBB excite。現在は「フレッツ 光ネクスト」とプロバイダーをまとめた「エキサイト光」にしています。使っていて特に不満もなく、価格的にもかなり安くすんでいるので、同じところを導入してもよかったのですが、せっかくだから違うところにしようと考えました。そこで行きついたのが「nuro光」です。

▲nuro光のサイト。4月から10Gbpsと6Gbpsのプランが追加されている

実は、「nuro光」が登場した当初、すぐに導入したかったのですが、自宅がなかなか対象地域にならず断念。その後、ようやく対象地域になったのですが、そのころには熱も冷めてしまって、導入には至りませんでした。今回事務所起ち上げを期にnuro光と再び出会うことになったわけです。

nuro光は、4月に10Gbpsなどのサービスが開始されていますが、当然うちの地域は対象外。ということで、従来からの2Gbpsのサービスを契約することにしました。ネットで調べてみると、nuro光のサイトだけでなく、色々なサイトでキャンペーンを実施していて、申し込みできることがわかりました。「nuro」でググるとすぐに出てきます。そうなると、どこで契約するのがトクなんだろうということになります。

たとえば、nuro光自体のキャンペーンでは、2年契約すれば、PS4とかPSVRがタダで貰えて(2018年3月当時)、工事費も実質タダというもの。ほかにも、1年間月額料金を2980円にして工事費も実質タダなど。工事費実質タダというものは、どのキャンペーンにも含まれているようなので、キャッシュバック額としては、PS4やPSVRがもらえるということは、だいたい3万6000円程度ということになります。月額料金の割引だと、通常月額料金が4743円なので、だいたい3万1000円ほど。PS4もらったほうがちょっとお得ということになります。


▲現在のキャンペーンは、PSVRや月額料金割引などいくつかある代理店というとイヤな思い出が......

さらに代理店と呼ばれているサイトでは、キャッシュバック価格が更に高い額で提示されています。4万6000円とか5万8000円とか8万3000円とか、かなり景気のいい話になっています。なんか、ここまで来ると逆に胡散臭く感じてしまいますよね。で、よーく条件を読んでいくと、光電話の加入が必要だったり、ひかりTVに加入が必要だったり、さらに紹介した人数によってキャッシュバックなんてのもあります。戸建てなのか集合住宅なのかでも金額が変わってくるので、よーく条件を読んで吟味する必要があります。

正直言うと、nuro光の熱が冷めたきっかけは、この手の代理店からの電話攻撃でした。これでnuro光の印象をかなり悪くしました。この1、2年はさすがになくなりましたが、提供地域になってからかなり掛かってきました。電話による勧誘販売って個人的にはデメリットにしか感じないのですが、よくわからない人たちには「安くて速い」という言葉に、一定の効果があるんでしょうかね。

で、今回筆者の場合は集合住宅になるので、タイプが「NURO 光 G2 V(マンションミニ)」になります。古いアパートの1階なので、集合住宅といってもマンションではないのですが、契約上は戸建てとわけられています。ただ、速度的には下り最大2Gbps、上り最大1Gbpsであることは変わりませ。8階建て以上だと「NURO 光 for マンション」となり、利用する人数によって月額利用料が変わってくるシステムです。また、7階以下でも、「NURO 光 for マンション」を選択できますが、導入にはかなり時間がかかるようです。


▲戸建住宅と集合住宅でのプランの違い

ということで、どこで申し込もうかと、なんだかんだ検討したのですが、最終的に選んだのは「価格ドットコム」でした。nuro光の割引より上乗せされており、過度なオプションを要求されない、シンプルな構成が気に入りました。戸建てタイプとマンションミニでは割引額が違いますが、2年契約でトータル8万円ほど浮くようです。1年間利用すると6万円ほどかかるので、実質1年間ちょいはタダで利用できる計算になります。

申し込みの開始は、価格ドットコムのサイトから行いますが、すぐにnuro光の申請サイトに飛ばされて申し込みを続けます。筆者が申し込んだ日が3月21日。工事はすぐにできないだろうと思っていたので、部屋の契約は4月1日からにしたのですが、これがなかなか思うようにいきませんでした。

こればっかりは地域や時期によって違うと思いますが、工事日は最短が4月8日でした。申し込む時点で、工事する日を指定するのですが、この時点で2週間後。さらに、これは宅内配線の工事のみで、屋外工事のためにもう1度工事日を設定しなければなりません。このため、この時点で部屋を借りて最低でも半月間は事務所として機能しないことが確定しました。
予定通り宅内工事に来たものの、宅外工事日が......

1回目の工事日の宅内配線は、光ケーブルを屋外のボックスから宅内に引き込み、ホームゲートウェイ(以下ONU)の設置までの作業になります。光ケーブルは、電話線の配管を利用して引き込みました。このためONUの設置場所は電話コンセントがある場所になります。作業時間は大体1時間ちょい。ONUを設置するまでがこの日の工事になります。


▲工事業者さんが、電話線の配管を利用して光ケーブルを引き込む


▲引き込んだ光ケーブルは、光コンセントを設置してONUと接続する。コンセントは両面テープでの貼り付けのため、壁紙によっては剥がれやすい


▲外にも光ケーブルを接続するためのコンセントが設置される


▲光信号を発する機器を接続し、ちゃんと光が届くかチェック

▲最後にONUを設置して工事は終了

この日の工事はnuro光から依頼された業者が作業しますが、屋外配線工事はNTTが行います。最後に次の工事日を決めるらしいのですが、この日は空き日がすぐに見つからず、後日連絡がくるということになりました。

がしかし、待てど暮らせどまったく連絡がなく......。NTTの都合とはいえ、5日経っても音沙汰がないのはいかがなものかと。1回目の工事確認もメールで届いていたので、「現在調整中です」とか、1通メールを送ってくれればいいのに、工事微調整中なのか忘れられているかの判断が付きません。結局、サポートへ電話したのですが、正直あまり対応もよくありません。電話もなかなかつながらず、工事専用のサポートだと、単に工事日の調整とかそれに関する問い合わせしか受け付けず、契約のことは一切わからない状態。工事日はこのとき提示されたのですが、すったもんだあってその日にできず、ほかの日となると、5月31日とか1ヵ月以上先を提示され話になりません。これではイライラが募るだけで、かなりの悪循環です。

詳細はわかりませんが、どうも1回1回お伺いを立てないと工事できる日がNTT側から回答されなようで、nuro光側がNTTの工事日をコントロールできないようです。結局は、またそれから1週間経ってから連絡が来て、4月29日に工事という運びになりました。今回nuro光と契約してみてわかった注意点としては、

工事は屋内と屋外の2回行われる最初の工事日はだいたい申込日から2週間後2回目の工事は基本その場で提示されるが、決められなかったら1週間連絡を待て連絡が来てから1週間後ぐらいが工事日になるサポートへ電話しても埒が明かない工事日は、ほとんど余裕がないので、ほかの予定をキャンセルしてでも工事優先がおすすめ

もちろん、先述の通り契約する時期や地域にもよると思うので、これよりスムーズに行くこともあれば、長くなることもあるかもしれません。nuro光のサイトにも開通まで1ヵ月かかる可能性があることを記載しているので、そういうものなんだとおおらかな心が必要になってきます。

ちなみに、NTTのフレッツ光ネクストと契約したら、1度の工事で済みますし、工事日にもある程度余裕があります。なので、すでにネット回線を利用していてnuro光へ切り替えるのであれば、ネットレスの空白期間が抑えられるので問題ないでしょうが、一人暮らしをはじめようと新居を契約して、すぐネットを使いたいならだんぜんフレッツ光ネクストをオススメします。
契約から1ヵ月以上かかってようやく開通へ

結局、事務所として部屋を借りて1ヵ月間、ほとんど稼働することもないまま、1ヵ月分の家賃を払うことになりました。まぁ、それはいたしかたないこととして、早速nuro光の力を見せてもらおうじゃないかと、ネットへ接続してみました。


▲借りたアパートには光ケーブルが来ていなかった模様


▲すでに設置されていたコンセントに接続して工事完了

フレッツ光ネクストのようにPPPoEの設定とかが必要なのかと思ったのですが、特に必要なくパソコンをつなげればすぐに使えるようになっていました。Speedtest.netでの計測結果は以下のとおりです。


▲パソコンに有線LAN接続して計測。時間帯やサーバーの負荷によって変化する

これこれこれ。上下とも900Mbps超え。自宅で使っているフレッツ光ネクストが速くて700Mbps台だったので、200Mbps以上の差が出ました。これには大満足ですよ。

続いて、iPhone Xを無線LANに接続してみました。支給されているONUは、ファーウェイの「HG8045Q」。802.11acに対応しており、最大1300Mbpsで通信可能とのこと。背面にあるSSIDと暗号化キー(文字が小さくて老眼ぎみな筆者にはつらい......)を利用して接続し、同じくSpeedtest.netで計測してみました。


▲iPhone XでSpeedtest.netのアプリを使用して調べてみが結果は......

あれれ、まったくスピードが出ません。ONUにはWi-Fiルーター機能も備わっていて、設定を確認してみたのですが、特に問題はなさそう。ワンルームなのでONUの近くで試しており、電波が弱いということもありません。nuro光のサイトにあるマニュアルを見てみると、なんと11ac対応とは記載されていません。しかし、対応しているのは間違いないようで、マニュアルが古いママなのか旧機種のHG8045Dを流用してしまっているためなのか。ちょっとこれだと何が正しくて、何が正しくないのかわかりづらいですね。このあたりも改善してほしいところです。

結局、速度が出ない問題はどうなったかというと、5GHz帯のチャンネル設定が「自動」になっていたものを、手動で指定することで解決しました。なぜ自動だとダメなのかが不明で、しかもチャンネルを指定したにもかかわらず、勝手に変わってしまいます。また、5GHz帯の場合、100以降に指定してもダメで、ルーター機能がうまく動作していないのではないか疑惑もあります。Speedtest.netで計測したところ、


▲チャンネル設定を自動から変えたあとに、iPhone XでSpeedtest.netのアプリで計測した結果

という結果に。iPhone Xでこの数字を私は初めて見ました。これだけ出れば満足と言っていいでしょう。nuro光を使っていて、ファーウェイのONUでWi-Fiのスピードが出ないという場合は、チャンネル設定を見直してみましょう。


▲モードにもちゃんとacと記載されているのにマニュアルは古いママ。チャンネルを自動から手動で指定すると、なぜか速度が開放される


▲チャンネルを指定したにもかかわらず、自動で変わっている。謎だ

また、最大2Gbpsの速度がでるのに有線LANはギガビット、Wi-Fiは1.3Gbpsとフルに活用できないONUの仕様は少々残念。LANの口が3つしかありませんが、せめてリンクアグリゲーションに対応していればなぁと思いました。


▲ONUはLANポートが3つ。リンクアグリゲーションには対応せず。

こうして、新しく部屋を借りて事務所にnuro光を導入するまでの顛末をお話しましたが、開通するまでの過程はなんとかならないものかと、ホント思いました。あとサポート体制も改善したほうがよいかと思います。ただ、その後に味わうこの速度域は非常に魅力的であり、いろいろあって時間はかかったけど、最終的にはnuro光にしてよかったと思います。