XFN-ASIAによると、スイス金融大手のUBSが中国の証券会社、北京証券の株式の20％を17億7000万元（約250億円）で取得し、外資企業として初めて、中国の証券会社の経営権を握ったことから、中国金融当局は、これを前例として、外資による中国の証券会社への直接投資の出資比率を25％程度に設定するのではないかとの憶測が流れている。英フィナンシャル・タイムズが21日付で報じた。

　　同紙によると、このため、経営が悪化した中国の証券会社に50％近く出資して、完全に経営権を掌握しようと交渉を行っていたJPモルガンなど、他の外資系銀行の怒りを招いているという。JPモルガンが遼寧証券と進めている提携協議にも影響が出ると見られる。

　　UBSは世界銀行の投資部門であるIFC（国際金融公社）と組んで、北京証券への資本参加交渉を行い、IFCは株式の5％を取得することが決まっており、2行を合わせた出資比率は25％となる。数行の外銀では、中国金融当局は外資系企業に許可する出資比率を25％より高く設定しようとしていたが、UBSが北京証券に出資を行ったことで、この方針が変更になったと見ている。【了】