2018年のスマホはPCレスを実現するか? 「ながら操作」の進化でパソコンにより近づく
今年のスマートフォンの進化はめざましく、とくに見た目で感じる大きな変化は「縦長のディスプレイ」を搭載した機種が多く登場したことでしょう。
サムスンの「Galaxy S8」と「Galaxy Note8」、ファーウェイの「Mate 10 Pro」など、各社の高性能モデルの多くは縦長のディスプレイを採用しています。
これらの機種はAndroid 7.0で対応した「マルチウィンドウ」を活かすため、縦に二つの画面を並べて表示しても狭くならず使い勝手がいいことをアピールしていますが、ここから読み解く「来年以降のスマートフォンの進化」について、今回は考えていきます。
○Android 8.0の登場で「2つの画面」がより便利になる
Androidの最新バージョンとなる「8.0 (開発コードネーム: Oreo)」は、上にご紹介した「マルチウィンドウ」をさらに進化させ、実行中のアプリの上に小さな小窓で別のアプリを表示する「Picture in Picture」にも対応します。
Android 8.0へのアップデートで利用できる「小窓」、Picture in Picture
例えば、ブラウザでニュースを表示しつつ、Picture in Pictureの小窓で動画を再生するといった使い方がスマートフォンでも簡単に可能となります。
Android 7.0までのマルチウィンドウでは、
・一つ目のアプリの表示範囲を狭める
・二つ目のアプリの表示領域を確保する
・「二つの画面を並べる」
こうして複数のアプリをスマートフォンの画面上で同時に表示し、操作を可能としていました。
Android 8.0では、これに加えPicture in Pictureに対応することで、より快適な「ながら操作」を可能にしています。
スマートフォンが台頭してきた当時、従来の携帯電話よりも飛躍的に機能と使い勝手がよくなったことから「手のひらに収まるパソコン」と例えて紹介されました。
しかし、当時のスマートフォンは、パソコンと比較すると「同時に2つ以上のことが行えない」という弱点もありました。
Android 7.0以降は、パソコンのように二つのことを同時に行えるマルチウィンドウに力を入れており、8.0でのPicture in Pictureの追加されることで、パソコンのメリットを奪ってしまうほどの便利さを実現しようとしています。
○周辺機器との接続・連携で、スマートフォンはパソコンの代わりになる
また、冒頭で紹介した「Galaxy S8」や「Mate 10 Pro」など、最新の高性能機種では「パソコンに代わる機能」を備えた機種も続々登場しています。
専用のケーブルやアダプタを利用するとスマホがパソコンになる
どちらの機種も、専用のアダプタを介してパソコンの液晶モニターや大画面のテレビに接続した場合、これまでのようにスマートフォン画面を単に映し出すのではありません。
パソコンのデスクトップ画面のように大画面に最適化された表示を利用できるのです。
大画面に最適化されたモニターと、USBでの有線接続、またはBluetoothの無線接続でキーボード・マウスを繋ぐことで、カーソルの移動、文字の入力など本当にパソコンを操作するように使えます。
さらに、ただ大画面に表示されるのではなく、アプリを起動すると見慣れたパソコンのように立ち上げたアプリそれぞれがウインドウで表示されるため、複数の作業を同時に実行することが可能となるのです。
もちろん、周辺機器が対応していることが前提にはなりますが、例えばAndroidスマートフォンからプリンタにデータを送り、文章や写真を印刷することも可能ですから、その操作性は条件さえ満たせばパソコン匹敵します。
過去にも、Windows 10 Mobileで「Continuum for mobile」とし、同様の機能が提供されていましたが、同OS・スマートフォン向けのアプリケーションの数が少なく、すでに普及していたAndroid、iPhoneのシェアを奪うには至りませんでした。
しかし、今回は国内では約半分、世界的に見ても半分以上のシェアを持っているAndroidがパソコンに近づく機能をサポートするわけですから、この進化は右肩下がりが続くパソコン市場に対して、今後、もっとも強力なライバルとなる可能性を秘めています。
Android 8.0でのマルチウィンドウの強化、スマートフォン高性能化により、スマートフォンの使い方は「ながら操作」や「大画面操作の効率化」が加速していくでしょう。
これまで以上にスマートフォンで済ませられることが増えることで、さらにパソコンを持たない人も増えていきそうです。
そしてスマートフォンがパソコンのように扱える機能が当たり前になれば、本当にパソコンは必要のない時代がやっってくるかもしれません。
迎 悟
サムスンの「Galaxy S8」と「Galaxy Note8」、ファーウェイの「Mate 10 Pro」など、各社の高性能モデルの多くは縦長のディスプレイを採用しています。
これらの機種はAndroid 7.0で対応した「マルチウィンドウ」を活かすため、縦に二つの画面を並べて表示しても狭くならず使い勝手がいいことをアピールしていますが、ここから読み解く「来年以降のスマートフォンの進化」について、今回は考えていきます。
○Android 8.0の登場で「2つの画面」がより便利になる
Androidの最新バージョンとなる「8.0 (開発コードネーム: Oreo)」は、上にご紹介した「マルチウィンドウ」をさらに進化させ、実行中のアプリの上に小さな小窓で別のアプリを表示する「Picture in Picture」にも対応します。
Android 8.0へのアップデートで利用できる「小窓」、Picture in Picture
例えば、ブラウザでニュースを表示しつつ、Picture in Pictureの小窓で動画を再生するといった使い方がスマートフォンでも簡単に可能となります。
Android 7.0までのマルチウィンドウでは、
・一つ目のアプリの表示範囲を狭める
・二つ目のアプリの表示領域を確保する
・「二つの画面を並べる」
こうして複数のアプリをスマートフォンの画面上で同時に表示し、操作を可能としていました。
Android 8.0では、これに加えPicture in Pictureに対応することで、より快適な「ながら操作」を可能にしています。
スマートフォンが台頭してきた当時、従来の携帯電話よりも飛躍的に機能と使い勝手がよくなったことから「手のひらに収まるパソコン」と例えて紹介されました。
しかし、当時のスマートフォンは、パソコンと比較すると「同時に2つ以上のことが行えない」という弱点もありました。
Android 7.0以降は、パソコンのように二つのことを同時に行えるマルチウィンドウに力を入れており、8.0でのPicture in Pictureの追加されることで、パソコンのメリットを奪ってしまうほどの便利さを実現しようとしています。
○周辺機器との接続・連携で、スマートフォンはパソコンの代わりになる
また、冒頭で紹介した「Galaxy S8」や「Mate 10 Pro」など、最新の高性能機種では「パソコンに代わる機能」を備えた機種も続々登場しています。
専用のケーブルやアダプタを利用するとスマホがパソコンになる
どちらの機種も、専用のアダプタを介してパソコンの液晶モニターや大画面のテレビに接続した場合、これまでのようにスマートフォン画面を単に映し出すのではありません。
パソコンのデスクトップ画面のように大画面に最適化された表示を利用できるのです。
大画面に最適化されたモニターと、USBでの有線接続、またはBluetoothの無線接続でキーボード・マウスを繋ぐことで、カーソルの移動、文字の入力など本当にパソコンを操作するように使えます。
さらに、ただ大画面に表示されるのではなく、アプリを起動すると見慣れたパソコンのように立ち上げたアプリそれぞれがウインドウで表示されるため、複数の作業を同時に実行することが可能となるのです。
もちろん、周辺機器が対応していることが前提にはなりますが、例えばAndroidスマートフォンからプリンタにデータを送り、文章や写真を印刷することも可能ですから、その操作性は条件さえ満たせばパソコン匹敵します。
過去にも、Windows 10 Mobileで「Continuum for mobile」とし、同様の機能が提供されていましたが、同OS・スマートフォン向けのアプリケーションの数が少なく、すでに普及していたAndroid、iPhoneのシェアを奪うには至りませんでした。
しかし、今回は国内では約半分、世界的に見ても半分以上のシェアを持っているAndroidがパソコンに近づく機能をサポートするわけですから、この進化は右肩下がりが続くパソコン市場に対して、今後、もっとも強力なライバルとなる可能性を秘めています。
Android 8.0でのマルチウィンドウの強化、スマートフォン高性能化により、スマートフォンの使い方は「ながら操作」や「大画面操作の効率化」が加速していくでしょう。
これまで以上にスマートフォンで済ませられることが増えることで、さらにパソコンを持たない人も増えていきそうです。
そしてスマートフォンがパソコンのように扱える機能が当たり前になれば、本当にパソコンは必要のない時代がやっってくるかもしれません。
迎 悟