メイド・イン・ジャパン技術の新VAIOが目指したモバイルPCの「快」とは何か
バイオは9月21日、モバイルノートPC「VAIO S」ラインを一新した。
モバイル向けの11.6型モデル「VAIO S11」は重さ約840gと小型軽量化を、デスクでも使いやすい13.3型モデルも重さ約1.06kgだ。
そしてA4サイズのハイエンドノート「VAIO S15」の3モデルがインテルの第7世代プロセッサーを搭載する。
今回は、VAIO S11およびVAIO S13を中心に話しを進めて行こうと思う。
家電量販店に並ぶ個人向けノートPCは、
・アップルの「MacBook」のようなスタイリッシュな薄型メタルボディの製品
・据え置き型の多機能や高性能モデル
・ゲーミング向けのハイスペック機
・法人をターゲットにした製品を個人向けにカスタマイズした製品
などとなっている。
VAIO S11およびVAIO S13は、モバイル用途やテレワークをターゲットにした法人向けをベースとしている。法人向けの製品名は「VAIO Pro PF」(11.6型モデル)、「VAIO Pro PG」(13,3型モデル)だ。
法人向けとは言っても過酷な環境下で使うための特別な機材ではない。
前述した通り、一般的なビジネスおよびクリエイティブワークをこなすための製品であるため、個人向けとしてオーバースペックではなくちょうどいいバランスの製品といえる。。
VAIO S11とVAIO S13は、ディスプレイサイズにともなう筐体サイズの違いはあるが、搭載するプロセッサーやメモリー容量、ストレージなどは同等だ。
実は、この2モデルは筐体こそ違えども、基板やバッテリー、冷却ファンなど使用している部品を共通化している。
こうすることで量産によるコストダウンが図れるだけではなく、オーダーメイドによる2モデルを組み立てるラインがシンプルになる。
さらに、もっとも重要なのが、修理時のパーツやメンテナンス知識を共有化できることだ。
VAIO S11のボトムユニット
VAIO S13のボトムユニット。冷却ファンの位置が違うが、構成するパーツやバッテリーは同じであることがわかる。
一般的なノートPCは、画面が大きいモデルの方が高性能であったり、構成の選択肢が多かったりする。
だが、この2モデルの中身は共通であることから、サイズ差による性能差がない。
そのため、
・購入時には持ち出すことが多い
・移動もするがデスクで使える画面サイズが欲しい
など、用途に合わせたサイズを選択することができる。
もともとVAIO SシリーズおよびVAIO Zシリーズは、モバイル用途を考慮して、キーボードの静音性にも力を入れ、オフィスや公共の場でも気兼ねなく使用できるようにしている。
また、
・デスクやテーブルなどを想定した高さ90cmからの落下試験
・モニターを開いた状態で角を挟んで持つケースを想定したひねり試験
・キーボードにペンを置いたまま、ディスプレイを閉じてしまっても破損しないようペン挟み試験
などを実施。
ビジネスツールに必須な堅牢性を個人向けモデルにも搭載しているのでビジネスで利用するマシンとしての安心感の高さが大きな特徴だ。
またメタルボディの薄型PCは、持ち運びやすさのほかにも、キーボードとデスクとの段差が少ないため入力時に掛かる手首への負担やストレスが少ないことがある。
反面、
薄型化により端子類を極端が減るため、拡張性が乏しいのが弱点となる。
法人向けPCは、堅牢性やVGA端子、LAN端子などを備えることで、薄型ノートPCとは対極にあるといってもいいだろう。
もちろん、現在の法人向けPCでも薄型化は進んでいるため、拡張性をそなえつつも、十分に移動にも対応できるようになっている。
VAIOはシリーズでは、拡張性と使いやすさの改善に、ディスプレイを開くとキーボードが持ち上がるチルトアップヒンジ構造で対策を講じている。
新しいVAIO S11およびVAIO S13では持ち上がるヒンジの高さにこだわり、打ちやすいキーボードの傾斜と、キーボードとデスクの段差が気にならないよう作り込まれているのだ。
このような使い勝手を考慮した作り込みはLAN端子にも活かされている。
LANケーブルは通常側面に対して水平に挿す仕様が多い。
しかし、VAIO S11およびVAIO S13では斜め上に刺さるよう設計されているのだ。
これは不意にケーブルが抜けてしまわないよう配慮したものだ。
この機能のポイントは、チルトアップヒンジによって本体が持ち上がることを利用した斜め挿しである。
一般的の薄型ノートPCなどでは思いつかない構造だ。
LANケーブルが抜けにくい設計は、このチルトアップヒンジ構造と90cmからの落下に耐える設計によって強い意味を持つだろう。
しかし、この特徴的な機構にも欠点はある。
ディスプレイを閉じた状態では斜めに刺さったLANケーブルと本体の端子に負荷が掛かってしまうことだ。
これに関してはケーブルを抜くなど、取り扱いで対処するということになるだろう。
今回のVAIO S11およびVAIO S13の、見逃せないのがLTE通信に対応したモデルということだ。キャリアグリゲーションによる受信時最大450Mbpsの高速LTE通信に対応する。
SIMフリーであるため、様々な通信事業者のSIMを利用可能となる。
この便利なモバイルデータ通信やWi-Fiを安定して利用できるよう、アンテナを一番高い場所、ディスプレイの上部に搭載している。
天面を良く見るとふたつのパーツで構成されていることに気付くだろう。マグネシウム合金製のVAIO S13やUDカーボン製のVAIO S11は、アンテナのための樹脂パーツと組み合わせている。心配なのがパーツ分割による剛性の低下だが、成形とフレームの構造でクリアしているようだ。
モバイルPCの「快」を追求し続けるVAIOの最新モデルは、使いやすさをとことん考えそれをメイド・イン・ジャパンの技術で実現した魅力的な製品だと感じた。
執筆 mi2_303
モバイル向けの11.6型モデル「VAIO S11」は重さ約840gと小型軽量化を、デスクでも使いやすい13.3型モデルも重さ約1.06kgだ。
そしてA4サイズのハイエンドノート「VAIO S15」の3モデルがインテルの第7世代プロセッサーを搭載する。
今回は、VAIO S11およびVAIO S13を中心に話しを進めて行こうと思う。
家電量販店に並ぶ個人向けノートPCは、
・アップルの「MacBook」のようなスタイリッシュな薄型メタルボディの製品
・据え置き型の多機能や高性能モデル
・ゲーミング向けのハイスペック機
・法人をターゲットにした製品を個人向けにカスタマイズした製品
などとなっている。
VAIO S11およびVAIO S13は、モバイル用途やテレワークをターゲットにした法人向けをベースとしている。法人向けの製品名は「VAIO Pro PF」(11.6型モデル)、「VAIO Pro PG」(13,3型モデル)だ。
法人向けとは言っても過酷な環境下で使うための特別な機材ではない。
前述した通り、一般的なビジネスおよびクリエイティブワークをこなすための製品であるため、個人向けとしてオーバースペックではなくちょうどいいバランスの製品といえる。。
VAIO S11とVAIO S13は、ディスプレイサイズにともなう筐体サイズの違いはあるが、搭載するプロセッサーやメモリー容量、ストレージなどは同等だ。
実は、この2モデルは筐体こそ違えども、基板やバッテリー、冷却ファンなど使用している部品を共通化している。
こうすることで量産によるコストダウンが図れるだけではなく、オーダーメイドによる2モデルを組み立てるラインがシンプルになる。
さらに、もっとも重要なのが、修理時のパーツやメンテナンス知識を共有化できることだ。
VAIO S11のボトムユニット
VAIO S13のボトムユニット。冷却ファンの位置が違うが、構成するパーツやバッテリーは同じであることがわかる。
一般的なノートPCは、画面が大きいモデルの方が高性能であったり、構成の選択肢が多かったりする。
だが、この2モデルの中身は共通であることから、サイズ差による性能差がない。
そのため、
・購入時には持ち出すことが多い
・移動もするがデスクで使える画面サイズが欲しい
など、用途に合わせたサイズを選択することができる。
もともとVAIO SシリーズおよびVAIO Zシリーズは、モバイル用途を考慮して、キーボードの静音性にも力を入れ、オフィスや公共の場でも気兼ねなく使用できるようにしている。
また、
・デスクやテーブルなどを想定した高さ90cmからの落下試験
・モニターを開いた状態で角を挟んで持つケースを想定したひねり試験
・キーボードにペンを置いたまま、ディスプレイを閉じてしまっても破損しないようペン挟み試験
などを実施。
ビジネスツールに必須な堅牢性を個人向けモデルにも搭載しているのでビジネスで利用するマシンとしての安心感の高さが大きな特徴だ。
またメタルボディの薄型PCは、持ち運びやすさのほかにも、キーボードとデスクとの段差が少ないため入力時に掛かる手首への負担やストレスが少ないことがある。
反面、
薄型化により端子類を極端が減るため、拡張性が乏しいのが弱点となる。
法人向けPCは、堅牢性やVGA端子、LAN端子などを備えることで、薄型ノートPCとは対極にあるといってもいいだろう。
もちろん、現在の法人向けPCでも薄型化は進んでいるため、拡張性をそなえつつも、十分に移動にも対応できるようになっている。
VAIOはシリーズでは、拡張性と使いやすさの改善に、ディスプレイを開くとキーボードが持ち上がるチルトアップヒンジ構造で対策を講じている。
新しいVAIO S11およびVAIO S13では持ち上がるヒンジの高さにこだわり、打ちやすいキーボードの傾斜と、キーボードとデスクの段差が気にならないよう作り込まれているのだ。
このような使い勝手を考慮した作り込みはLAN端子にも活かされている。
LANケーブルは通常側面に対して水平に挿す仕様が多い。
しかし、VAIO S11およびVAIO S13では斜め上に刺さるよう設計されているのだ。
これは不意にケーブルが抜けてしまわないよう配慮したものだ。
この機能のポイントは、チルトアップヒンジによって本体が持ち上がることを利用した斜め挿しである。
一般的の薄型ノートPCなどでは思いつかない構造だ。
LANケーブルが抜けにくい設計は、このチルトアップヒンジ構造と90cmからの落下に耐える設計によって強い意味を持つだろう。
しかし、この特徴的な機構にも欠点はある。
ディスプレイを閉じた状態では斜めに刺さったLANケーブルと本体の端子に負荷が掛かってしまうことだ。
これに関してはケーブルを抜くなど、取り扱いで対処するということになるだろう。
今回のVAIO S11およびVAIO S13の、見逃せないのがLTE通信に対応したモデルということだ。キャリアグリゲーションによる受信時最大450Mbpsの高速LTE通信に対応する。
SIMフリーであるため、様々な通信事業者のSIMを利用可能となる。
この便利なモバイルデータ通信やWi-Fiを安定して利用できるよう、アンテナを一番高い場所、ディスプレイの上部に搭載している。
天面を良く見るとふたつのパーツで構成されていることに気付くだろう。マグネシウム合金製のVAIO S13やUDカーボン製のVAIO S11は、アンテナのための樹脂パーツと組み合わせている。心配なのがパーツ分割による剛性の低下だが、成形とフレームの構造でクリアしているようだ。
モバイルPCの「快」を追求し続けるVAIOの最新モデルは、使いやすさをとことん考えそれをメイド・イン・ジャパンの技術で実現した魅力的な製品だと感じた。
執筆 mi2_303