PKを決めたネイマールが真っ先にカバーニの元へ。一連の騒動はこれで決着か!? (C)Getty Images

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 エディンソン・カバーニか、それともネイマールか――。パリSGの両アタッカーがPKキッカーの座を巡って火花を散らしたのが、6節リヨン戦だった。在籍5年目のウルグアイ代表CFと、今夏に最上最高額でバルセロナから加入したブラジルの至宝の対立を、世界中のメディアはこぞって取り上げた。
 
「パリSGの会長がボーナスを払うからネイマールにPKを譲るように頼んだがカバーニが断った」、「ネイマール擁護者はダニエル・アウベスだけ」など報道が過熱。9月26日のCLバイエルン戦に向けた前日会見では、ウナイ・エメリ監督が「2人と話し合ってキッカーを決めた」とコメントしたが、どちらを指名したかの明言は避けていた。
 
 そして、バイエルン戦では巡ってこなかった“その時”が、現地時間9月30日のボルドー戦(リーグ・アン7節/○6-2)でついに訪れた。
 
 パリSGの2点のリードで迎えた39分。ボルドーのオタービオがペナルティーエリア内でハンドの反則を犯すと、主審がすかさず笛を吹く。PKだ。
 
 ボールを持ち、ペナルティースポットに向かったのは、これまでキッカーを務めていたカバーニではなくネイマールだった。
 
 相手GKの動きを見極めて、ゆっくりとした助走から右足のキックで左隅に決めると、ネイマールが最初に向かったのはカバーニのところだった。「わだかまりはもう何もない」とアピールするかのように、両者が抱擁を交わす。これで一連の騒動に、一応の終止符が打たれた。
 
 ちなみに、同じくカバーニが担っていた直接FKに関しても、ネイマールが優先権を得た模様。5分には28メートルの位置から直接叩き込んで先制点を決めた。ただ、後半には途中出場したアンヘル・ディ・マリアが狙うシーンもあるなど、こちらは状況次第といった形で収束したようだ。
 
 もっとも、個性派が揃うチームだけに、エゴとエゴがぶつかり合う選手同士の諍いは、今後も起こる危険を常にはらんでいる。エメリ監督のマネジメント力が改めて問われるだろう。

パリSG対ボルドーの試合経過