平間壮一×柿澤勇人、兄弟みたいな二人の願いは「あの作品を再演したい!」
舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。
第14回は平間壮一さんが柿澤勇人さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年8月1日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。
お互い裏表がなくて、本当の兄弟みたい!
――柿澤さんは酔っていても、「ライオンキング」を本番と同じ調子で歌えるのがすごいですね(笑)。
柿澤 僕はね〜、酒飲んでも、ぜんぜん喉が潰れないんですよね(笑)。
――鉄の喉ですね。
柿澤 でもこれからは怖いですよね。
――本誌掲載の対談で、平間さんは柿澤さんをもともと尊敬していたと言ってましたが、どういう部分で?
平間 僕、けっこう下調べするんです。次、柿澤くんと共演ですってなると、何やってるのかなとか、(同じく共演する)松下洸平くんの動画見たりとかして、やっべぇ人たちだなって。特に歌という面で。僕は歌が一番苦手科目だから、そこは盗めるものは盗もうって思ってて。実際に会って、話したり一緒に取材を受けたりすると、芝居に対してもすごい深い思いがあってやっていることもわかって、人間としても尊敬したという感じです。
――柿澤さんは平間さんに会う前はどんな印象を持ってました?
柿澤 僕は、『The Love Bugs』で初めて見て、とにかくダンスがキレキレだし、でも一方で芝居もちゃんとやる人なんだっていう。なんか気持ちいい人だなっていうのは印象としてありましたね。
――お互い印象が変わった部分は?
柿澤 ないですね。基本的に、僕も壮ちゃんもそんなに裏表がないと思ってるんで。最初に居酒屋に飲みに行ったときのまんま。ほんとに弟みたい。
平間 弟です! まんまの人って珍しいじゃないですか。仕事のときも普段もまんまの人。オンオフはあるけど、わりとナチュラルな二人だから居やすいのかもしれないですね。
『ラディアント・ベイビー』のみんなで、笑顔でゴールテープを切りたい
――共演された『ラディアント・ベイビー〜キース・へリングの生涯〜』が終わってからは連絡をとったり、会ったりする機会はあったんですか?
平間 ちょいちょい会ってますよね。
柿澤 うん。でもやっぱり『ラディアント・ベイビー』って作品がいろいろあって、公演も最終的には僕のケガのせいで途中で終わることになってしまったから。ほんとに熱いやつらが集まってたので、今でもキースファミリーみたいになっていて。ちょっとした近況とかをみんなで共有してます。お互いの芝居を、見てきたよ〜とか、良かったよ〜とか、今ここにいるから集合とか……。まあ、もちろん全員が一堂に会することはないですけど、近くにいたら顔出しに行くし。そういう意味では珍しいカンパニーなんじゃないですかね。
――再演したいという気持ちは?
平間 再演したい!
柿澤 もちろん! やっぱり全員で大千秋楽までまっとうしたいですね。
平間 えー!? でも、ちゃんと終わったら関係が終わりそうで、やっぱり嫌だな再演(笑)。
柿澤 なんだよ、それ(笑)。
平間 今の言い方だと、再演したら完結しちゃいそうで。
柿澤 だから、一旦ね。
平間 一旦ね(笑)。
柿澤 みんなでゴールテープ切りたいじゃん。みんなで涙で終わっちゃったから、笑顔で終わりたいなっていう思いはありますね。
――普段の二人はどんな関係なんですか?
平間 完全に兄貴って思ってます。だから俺、今日改めて、もうちょっと連絡しようと思いました。ご飯食べたいとか(笑)。
柿澤 うん。もうすぐひとり暮らしするからウチにも来てよ。
平間 行きます! 楽しくなる〜(笑)。
――柿澤兄貴からは連絡くるんですか?
平間 来ます。でも寝ちゃってて逃しちゃうんですよ〜。
柿澤 事前に誘えばいいんだけど、電話するのが深夜の2時3時くらいなんで(笑)。
平間 でも俺、そっちのほうがいいです。事前の約束だとけっこう嫌になっちゃうタイプだから。わかります?
柿澤 俺もそうだからわかる。事前に約束するの、あんまり好きじゃないから(笑)。
平間 やったー! 同じですね。
柿澤 (藤原)竜也さんとかもそうなんですよ、深夜12時とか1時くらいに電話してきて「カッキー何してんの?」って。僕にとっての兄貴は、藤原竜也さんと藤木直人さんなので、二人から、「今飲んでるから、出てこいよ」って言われると、やっぱりうれしいんですよ。ベッドにいても(笑)。で、マジかよ〜って思いながらも行っちゃうから。
平間 アハハハハハ!
柿澤 だから自分でもつい誘ってしまう(笑)。
――今の二人にとって、理想的なのはどんな女性なんですか?
柿澤 僕は完全に支えてくれる人。役者はけっこう辛い職業だから、それをなんとな〜く、時に厳しく、時にあったかく、乗せてくれる人。あんまり僕が精神的に強くないから、精神年齢が上の人のほうがたぶんいいんでしょうね。一歩先を行って導いてくれる人がいい。
平間 僕は自信ないほうだから、そのままの姿でいいって言ってくれる人がいいな。家ではちょっと甘えさせてほしいですよね。
柿澤 あと、すっごく嫌なことや辛いことがあったときに、親身になって聞いてくれるよりも、バカじゃないの? って笑って言ってくれる人のほうがいいかな。次行こう! っていう人。気にしなくていいいよって言ってくれる人のほうがありがたい。
平間 なんか違う楽しみ方を知ってる人とかいいですね。こんな所あるけどとか、いろいろ知ってる人とかいいかもしれない。自分でもちゃんと人生を楽しんでいる人。あと、「がんばって」って言わない人がいいかな。
幸せそうな兄家族が身近にいると、やっぱり家庭っていいんだなと思う
――結婚願望はありますか?
柿澤 いつかは。でも今すぐってことはないですね。兄が結婚してて、甥が今4歳なんですけど、やっぱりめちゃくちゃかわいいし。すごく幸せそうな家庭を間近に見ていると、やっぱり家庭っていいんだなと思いますよね。そういうのない?
平間 今はまったくないですけど……。子どもは2人だな。男と女ひとりずつ欲しい(笑)。
柿澤 俺、男、男がいい!
平間 っぽい〜(笑)。一緒に野球とかしてそう。
柿澤 野球とかサッカーとかね。
平間 双子とかもいいな〜。
柿澤 めっちゃ考えてるじゃん(笑)。
――お互いリスペクトしているところは?
柿澤 僕は、完全にダンス。
平間 イエーイ!
柿澤 こんなうまい人、ほんとに見たことない。『ラディアント』のときも、もうコイツのことばっかり見ちゃうんですよ、ダンスシーンで。
平間 フフフフ。
柿澤 僕はダンスに関してはド素人だけど、やっぱり目が行くんですよね。もうこれって才能なんでしょうね。僕がどんなにマネても、どんなに一生懸命やってもかなわないっていうのはわかってて、嫉妬することもできない。
平間 俺はもう芝居です、完全に。憑依(ひょうい)型というか、その役がヒューンと入ったみたいなのが見える瞬間があるんですよ。ハイ、今入りました! って。
柿澤 うそ〜? 舞台の上ではいたって冷静だけどね。
――ご自身は、憑依させるスイッチがあるんですか?
柿澤 ないない。でも、そういうふうに見られているなら、うれしいですけどね。
平間 芝居がカッコイイって思わせてくれてるのが、俺にはデカいですね。
――お互いの作品に関してはチェックはしてますか?
柿澤 『RENT』やってるって聞いたから、見たいなとは思いますね。
平間 前回『デスノート』を見に行けなかったんで、今回のは見たい。
柿澤 分かりやすいよ。面白いと思う。
――最後に、お互いはどんな存在ですか?
平間 本当に困ったり悩んだりとかしたときに連絡しようと思う人です。『ラディアント』の間もいろんなことで助けてもらったんで。
柿澤 僕は後輩ってあんまりいないんですけど。唯一、弟って呼べる後輩かな。
スペシャルQ&A【平間壮一編】
――柿澤さんには言ってないけど、感謝していることは?
平間 やっぱり『ラディアント・ベイビー』で引っ張ってってもらったことじゃないですかね。カッキーは“俺について来い!”ってタイプではないんですけど、本当に一生懸命やるから、その姿を見てみんなもそこについて行かなきゃって思うんですよ。ストイックな人ですけど、あんまり“やってるぞ俺”っていうのを出さないです。すごく自然にやってるというか、身についてる感じ。取り組み方を見てて、“カッコイイ人見つけた!”とそのとき思いました。ミュージカルってどちらかというとキレイとか素敵とかってイメージだったので、カッコイイと思ったのは初めてでしたね。
――柿澤さんに直してほしいところは?
平間 心配し過ぎです。俺からみたら十分なのにやっぱりストイックだから、「ぜんぜん大丈夫ですよ」って言っても受け入れてくれないですね。自分で納得するまでやる人です。“もういいんじゃないですか”って思うくらい心配する。プライベートでは、ないです。僕は全部好きかもしれないです(笑)。毎日お酒を飲んでも、ちゃんと仕事できちゃうから(笑)。喉も強いし。いやほんとすごいなって思います、あの人。
――何フェチですか?
平間 脚見ちゃうかな〜。脚がキレイな人が好きです。まっすぐがいいとかこだわりはあんまりないかもしれないです。でもあんまり細すぎないほうがいいですね。パンってやったら折れちゃいそうで、怖くなっちゃうんですよ(笑)。だから、無理してない脚がいい。
――「大人の男」に必要なものは?
平間 僕はどんなにちっちゃいことでも考え過ぎちゃうクセがあるんですよ。しかもネガティブ思考というか。だけどこれからは、あんまり気にしないようにしていこうって。何でも楽しめる方向に持ってったほうが人生楽しいんだなって。つい最近NYに行って、向こうで活躍している日本人の方とかと仕事して感じたんです。
例えば、みんなで車で移動してちょっと早めに着いたとしたら、その空き時間をみんなでコーヒーを飲んで、音楽をガンガンかけて踊ったりして過ごすんですよ。スタッフもみんなで集まって笑ってる感じがいいなと思って。でも、仕事になると集中してミスなく全部やってて。楽しんでから生まれるものもあるじゃないですか。そのメリハリが大人の余裕なんじゃないかなと思います。
――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているのは?
平間 つい最近だと劇団四季の『ノートルダムの鐘』が良かったです。それこそカッキーをカッコイイって思ったのと同じくらい、“うわっ、カッコイイ”と思いました。構成も演出も全部良かったです。歌もめちゃカッコいいんですよ。世界観が固まってる感じの舞台で物語の中に入れましたね。泣きました。もう一度観たい。
あとは今、ブロードウェーでやっている『ディア・エバン・ハンセン』っていうミュージカル。英語はあんまりわからないんですけど、ちゃんとあらすじとか調べて観て。もうボロボロ泣いてました。ダンスはあんまりなくて、芝居と歌っていう作品です。人とかかわりたくないみたいな、いじめられっ子のような人が主人公の舞台で、俺は好きだなと思いました。
――今、欲しいものは?
平間 技術(笑)。ダンスでも歌でも芝居でも、技術をあげるよって、もらえたら超うれしくないですか。ひとつだけ選ぶとしたら、今、練習中のダンスの技があって、それができる人と一緒に練習してるんですけど。ほんと1回でいいから、その身体に入ってその感覚をつかめば、戻ったときにいけそうってくらいまで来てるんですよ。だから、その人の身体に入ってその技を1回やりたい。それで技を自分のものにする(笑)。
不思議なんですよね〜、技って。動画見てもちっちゃい子どもとかがパーンって飛んだりしてやってるから、筋肉でも何でもないんですよ。だから1個のタイミングと、なんかいろいろなんですけど。あとは、物欲はあんまりないけど、ベッドが欲しい。腰が痛くなっちゃうから、よく眠れて腰に優しいベッド(笑)。
――今までの人生最大の喜びは?
平間 普段の平間壮一って感情がめちゃくちゃ薄くて(笑)。だから喜んでても、ヨッシャーみたいな反応ができないんですね。作品が決まるごとにうれしかったりとかはありますけどね。オーディションで決まっても、喜ぶより、ホントに受かっちゃったどうしよう〜って悩み始める。もっと楽しめればいいんですけど(笑)。でも、自分はいつも自信満々でやれてきていないから、本番終わってお客さんから「良かった」と手紙をもらって、“ああ、これで良かったんだ”って思えたときは、うれしいというか安心します。
スペシャルQ&A【柿澤勇人編】
――平間さんには言ってないけど、感謝していることは?
柿澤 『ラディアント・ベイビー』という作品で、僕はキース・へリングという役をやったんですけど、彼(キース)はエイズになったアーティストで、実際の人生も、とにかく1分1秒も無駄にしないように駆け抜けていった方なんですね。だから舞台上で、僕はあんまり周りのことも見る余裕もなく、必死にひとりで走ってた部分があって。それは役とリンクしているから、僕はそれでいいとは思っていたんですけど、やっぱり精神的にも辛かったですし、もうやれないという思いになったこともあったし。実際、最終的にはアキレス腱を切って舞台を降板してしまったんですけど。
そういう意味では精神的にも体力的にもしんどかった舞台ではあるんですが、やっぱり彼(平間)がいたから救われた部分があったなと。それがやっぱり一番ですかね。
――平間さんに直してほしいところは?
柿澤 電話に出ない(笑)。最近思ったのが、一緒に舞台やってたウエンツ(瑛士)に電話しても出ないんですよ。俺、嫌われてるのかなと思って。でも電話するのが夜中の2時とか3時なんで、“そりゃあ出ねぇな”って(笑)。僕としては出てほしいんですけど。お酒を飲んで楽しくなると電話したくなっちゃうんですよね(笑)。いつも言われるのは、「もっと早く誘えよ」っていう。だから僕が悪いんですけど(笑)。はい、僕がそこは直します!
――何フェチですか?
柿澤 うなじフェチ。髪の毛をバレッタで留めてうなじを見せてくれて、マキシワンピを着ていたら、だいたい恋に落ちますね。だから夏とかヤバいですね(笑)。バレッタとうなじで、もう最高なんですけど、そこに僕好みの無地のグレーとか紺とか黒とかの清楚っぽいマキシワンピを着てて、ちょっとかわいいサンダルとか履いてたら、ひと目ぼれします。夏は大変です(笑)。うなじは世界共通で美しいと思う部位ですね。
――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているのは?
柿澤 劇団四季を辞めたあと、大学在学中にブロードウェーで見た『アメリカン・イディオット』っていう、マイケル・メイヤー演出のミュージカル。学生証を見せてすごく安くしてもらった、端っこの席だったんですけど(笑)。グリーン・デイっていうロックバンドのアルバム『アメリカン・イディオット』の曲を使って、現代アメリカを描いたストーリーを舞台化した作品で。
で、僕が見に行ったときに、主人公の男をドラッグに誘惑するような、人間じゃない悪魔的な役で、グリーン・デイのボーカルのビリー・ジョー・アームストロングがたまたま期間限定で出演してたんですよ。俳優としてのビリー・ジョーのパフォーマンスがめちゃくちゃカッコよくて。出待ちしちゃいましたよ(笑)。もちろん何百人っているから、サインももらえなければ握手もできなかったけど、その出てくる姿もカッコよくてね〜。それは一生忘れないですね。
――今、欲しいものは?
柿澤 引っ越しするんで、家具ですね。実は初めてのひとり暮らしで。今まで実家で祖母と住んでいたんです。僕、おばあちゃん子だったんで、祖母が亡くなるまで一緒にいようと思っていたんですけど、祖母が施設に行くことが決まったので、僕もその家にいる意味がなくなったので。自分の趣味でリビングに置く家具とかを選ぶのは初めてだから、楽しみですね。インテリアのイメージはまだ考えてないけど、たぶんナチュラル系かな〜。引っ越してから徐々にそろえていこうかなと思ってます。
――今までの人生最大の喜びは?
柿澤 舞台って、稽古も神経すり減らすし、身体もきつくなるし。本番も毎日やってれば、身体は疲れてくるわけで、しんどいことのほうが多いんですけど、それが終わってお客さんが笑顔で帰ってくれて。それで、家でお風呂に入ったあとの1杯目のビールかな〜。それはほんとに幸せに感じますよ。“ああ〜、このためにやってるんだな〜”って。まあビールじゃなくてもいいんですけど、おいしいご飯とかでも。そういうときが幸せ感じるかな。
だからそのためにはいい芝居しなきゃいけないし、そこまでの過程のほうが大事なんですよ。もし過程がボロボロで本番もボロボロだったら、おいしい酒も飲めないし、ご飯も食べられないだろうし。中途半端になあなあにやってたら、おいしいとは思えないですし、どっかで抜いたら自分でわかりますからね。
<プロフィール>
ひらま・そういち◎1990年2月1日、北海道生まれ。A型。近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、『ラディアント・ベイビー〜キース・へリングの生涯〜』、TBSドラマ「あなたのことはそれほど」などに出演。7月2日〜8月6日ミュージカル『RENT』(日比谷シアタークリエ)、’18年1月4日〜31日シアタークリエ10周年記念コンサート「TENTH」に出演が控えている。
かきざわ・はやと◎1987年10月12日、神奈川県生まれ。B型。’07年、劇団四季で俳優デビュー。『春のめざめ』主演ほかで活躍。退団後もミュージカル『ラディアント・ベイビー〜キース・へリングの生涯〜』ミュージカル『フランケンシュタイン』ほか数多くの舞台に主演。『デスノートTHE MUSICAL』(大阪公演:8月19日〜21日梅田芸術劇場メインホール/東京公演:9月2日〜24日新国立劇場 中劇場)主演。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/時田ユースケ[VREEA])