まさかの初日に土! 新大関の高安関と

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 初日から3大関、2横綱に土がつくという、波乱の幕開けとなった大相撲名古屋場所。その敗者の中には、なんと期待の横綱・稀勢の里に新大関の高安までもが含まれているだけに、ファンはヒヤヒヤ? でも場所は15日間、これからの巻き返しに期待したいところ。大相撲ファンである“好角ガール”山根千佳の注目力士について聞く!

 大相撲名古屋場所、ついに始まりましたね! 実は「3日目までを見れば、その場所の力士の調子がわかる」という相撲通は多いんです。この日までに土がつくと、優勝争いからは遠ざかるという傾向が……。

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 特に横綱・日馬富士は顕著で、まさに3日目に星を落とすことが多いんです。逆に言えば、日馬富士らしいスピーディーな相撲で、3日目まで白星のみで終えられていたら、その場所のコンディションはすこぶる良好。今日まで、日馬富士に土がつかなかったら、優勝争いに確実に絡んでくると思いますよ♪

 全力士に注目したいのは山々なんですが、やっぱり新大関・高安は名古屋場所の顔といえるひとり! ここ数場所の強さは本物です。まわしを切る技術は天下一品ですし、パワフルな立ち合いからの突き落としにさらに磨きがかかっています。

 また、四つに組んでもあわてず、落ち着いて相撲を取れています。大関に昇進したことでプレッシャーからも解放され、どこまで強くなるのか楽しみでたまりません。先代の鳴戸親方(元横綱・隆の里)も「稀勢の里より高安のほうが横綱に向いている」とおっしゃっていたことがあるほどなので。ポテンシャルは十二分です。決して逃げない相撲を取る高安は“会場を沸かせる力士”。本当にカッコいいんです☆

 高安の調子のバロメーターのひとつは“体毛の濃さ”。見た目は目がクリクリ、毛深くて、まるでクマのような雰囲気がカワイイ高安ですが、調子がいいときは身体の毛が薄くなっているんです。

 というのも、ぶつかり稽古をしていると、身体の毛が擦れて抜け落ちていくそうです。つまり、場所前にいい稽古がたくさんできている証! かつて、ご本人に確認してみたところ、「そうだよ」と笑顔で答えてくれたので、間違いありません!(笑)。

 そしてもうひとり、注目力士を挙げるなら、阿武咲。私と同じ21歳(学年はひとつ下)という超新星ですが、実力は折り紙つき。巡業中は、稀勢の里が指名して稽古をつけるなど、上位陣からも目をかけられています。

 先場所直前、高安は阿武松部屋まで出稽古に行き、阿武咲と何番も取っていました。それが実り、高安は大関昇進、阿武咲は10勝5敗という好成績を収める結果となりました! ただ、先場所は新入幕だったため、相手からまだ研究されていませんでした。入幕二場所目となる今場所でも結果を残せたら、その後の躍進は“待ったなし”です♪ 

 阿武咲は“気持ちが伝わってくる相撲”を取ります。ぶちかましていく立ち合いで、相手を翻弄。突き相撲だけでなく、四つ相撲も取れるので、引き出しがたくさんあります。それに、門限アリの厳し〜い阿武松部屋で頑張っていることもあり、応援せずにはいられません! 

 津軽弁がとってもカワイイ阿武咲は、若者らしくツイッターとインスタグラムをやっています。お茶目な姿も公開してくれているので、ぜひ、そちらもチェックしてみてください♪

私の注目力士

高安 晃(大関・田子ノ浦部屋)

相撲の強さに加え、ファンサービスの神対応も魅力です。勝っても負けても同じ態度でファンに接してくれますし、巡業中はニコニコとファンとお話しまでしてくれるんです。大関になったとはいえ、きっとこれからも変わらないはず!

阿武咲 奎也(前頭六枚目・阿武松部屋)

突き押しから一気に土俵際まで攻める力強さが。名古屋の土俵の砂は東京・両国国技館より滑りやすいので、勝ちを急がずに攻め切れるかがポイント。立ち合いではたき込まれたり、土俵際で滑ったりしなければ、結果を残せると思います。

山根千佳(やまね・ちか)'95年、鳥取県生まれ。『37thホリプロタレントスカウトキャラバン2012』を経て、芸能界デビュー。物心ついたときには相撲ファンで、観戦歴は18年以上。『大相撲いぶし銀列伝』(フジテビONE)ほか、相撲関連の解説やレポートを多数担当。『ガッテン!』(NHK総合)準レギュラーなど、バラエティー番組でも活躍中