南多摩でトップ当選の斎藤礼伊奈さん、待機児童問題は「無認可園に突破口がある!」
心地よいサウンドとメッセージ性の強い歌詞で知られるシンガー・ソングライター『lecca』こと斎藤礼伊奈さん(38)は南多摩(定数2)でトップ当選を果たした。代表曲は『My measure(マイ・メジャー)』『For You(フォー・ユー)』など。'12年には日本武道館で単独ライブを開いた人気アーティストだ。
「取り組みたいのは、まず待機児童対策です。無認可園に突破口がある気がしている。認可保育園、認証保育園の建設には億単位のお金と時間がかかります。急いで無認可園の調査を始めたいんです」
いまにも走り出しそうな勢いでそう話す。
「どのような施設があり、保育の質はどうか。都全体の13%しか調査されていないんですね。ネット検索も難しく口コミが頼りです。保育士さんが少なかったり、給食を出さずベビーフードをポンと置くだけの施設とか。正確な情報がないから“待機児童”を選択している親御さんも多いのではないか。調査して周知すれば、おかあさんたちも“施設を覗いてみようかな”と考えることができる」
問題の体系や豊富なデータ、関連情報が頭に入っている。小4のときにいじめられて社会性に目覚めた。高校生のころには政治に興味を持ち、友達からは「ルーズソックスで新聞読んでるのアンタぐらいだよ」と笑われた。
「最もサービスがよく料金も安い認可園に並ぶのは当たり前で、料金が上がるけれど1日13時間預かってくれる認証園に行きたい人もいる。正規雇用者の子どもは入りやすいけれど、非正規や自営業、専業主婦の子は申し込むこともできない。どちらにも入れない人をサポートしたいんです。プラス、保育料の格差を少しでも是正したい」
話が熱を帯びる。
「無認可園への助成は区市町村によってバラバラ。東京都で一律で進めたい。今、いちばん情熱を持ってやりたいことです」
500曲以上作ってきた。心を揺さぶる歌詞は自らの体験だけではなく、ラジオ番組に寄せられたハガキやファンの話、周囲の人からライフワークのように話を聞いて創作活動に取り組んできた。
「自分の立場だけを歌ってきたつもりはないですし、訴えようとしてきたわけでもない。基本的に私、女性の味方ということでずっと歌ってきました」と笑顔を見せる。
2児の母。子どもが生まれてから音楽は夕方までにつくり、子どもを保育園に迎えに行きスーパーで食材を買い、ご飯を作って食べさせてからパソコンでニュースと向き合ってきた。その様子を見た夫が「ファンもわかってくれるよ」と背中を押した。
「歌手との両立は難しい。ただ、小池知事からは“続けたほうがいい”とおっしゃっていただいております。都政をしっかり進めさせていただいてから考えられるようになるのかなと思っています。あくまで都政を最優先したい」