10得点快勝!投打が噛み合い、土浦湖北にコールド勝ち!最速141キロを記録した塩原(横浜)

 関東大会の1回戦。この日ひたちなか市民球場には大勢の観客が駆け付けた。神奈川県第2代表・横浜vs茨城県第3代表の土浦湖北の一戦。

 横浜先発は塩原 陸。「粘られることもあったんですけど、ある程度は自分の思ったところに投げられたと思います」と語る塩原は、柔軟性のあるフォームからこの日最速141キロを計測したストレートと100キロ台の変化球、そして決めに行くスライダーで土浦湖北を抑えていく。球速についてはスピードガンで計測したことがなかったそうだがこの日は140キロ越え。非常に可能性を感じさせる投手だ。

 先制点は試合開始直後に入った。横浜の長南 有航がいきなりライトスタンドへ先頭打者本塁打を放ち幸先よく先制。結果的にはこのホームランが決勝点になる。

 2回、3回は両者とも無得点で4回表。増田 珠が四球で出塁すると万波 中正が左前に鋭い打球を放ちチャンスメイク。犠打を挟み7番市村 拓巳の2点適時打、さらに9番遠藤 圭吾の適時右前打でこの回3得点。6回にも市村の適時三塁打、塩原のセーフティスクイズ、遠藤の適時中前打で3点を加え点差は7点に。

 7回には一死の場面から万波がマウンドへ。投球練習では135キロ程度のストレートを投げていたが、驚かされたのは打者が入ってからの1球目だった。力を入れて投げた球はなんと145キロを計測。球場がどよめいた。その後もコンスタントに140キロ台のストレートを投げ込み打者を圧倒。そのまま万波がしっかり7回を締めゲームセット。さらに追加点を挙げた横浜が10対0でコールド勝ちを収めた。

 この試合でもう一つ話題になったこと、それが増田 珠が三振したことだ。なんと2年夏から3年のこの試合まで、公式戦で三振をしていなかった。それだけミート力がある選手ということだが、ついにこの試合で空振り三振。増田は「三振した瞬間に『あぁ〜』と思ったんですけど、リセットできたということではよかったです。悔しい気持ちはあったんですけど、次の打席でヒットが打てるようにということを考えてました。三振してないことを意識してないと言えばうそになると思います。自分では思ってなかったですけど、三振しないようにという意識はあったかもしれません」と話すが、気にしている様子は全くなかった。

 その増田、実は関東大会の初戦の雰囲気に少し飲まれていたという。「昨日からあんまり寝付けなくて、消灯過ぎてから素振りに行ったり、落ち着けてなかったのかなと思います」。しかし最後には「まぁ今日1本出たんで、明日からは大丈夫だと思います!」と笑顔を見せてくれた。

 勝利した横浜は21日、午前9時から水戸市民球場にて埼玉県第1代表・浦和学院と対戦する。高レベルな戦いに目が離せない。

(取材・写真=編集部)

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