早稲田実業打線爆発も、投手陣に不安を残す結果に清宮幸太郎(早稲田実業)

 早稲田実業打線が初回で試合を決めた。無死一、二塁から3番清宮 幸太郎が場外へ消える高校通算93号本塁打で、3点を先制。その後、打線が爆発して、2回まで10得点を奪う猛攻を見せた。

 だが、八代も2回裏、8番松田の内野ゴロと9番吉岡の内野安打で2点を返し、捕手の正成 智がマウンドに登ると右サイドから常時135キロ前後のストレート、100キロ台のカーブ、120キロ台のスライダーで勝負し、清宮には自己最速の140キロのストレートで空振り三振を奪い、5回表の第4打席も空振り三振。県営八代球場に詰めかけたファンを驚かせる投球を見せた。

 しかし5回表、二死二、三塁から5番西田 燎太の適時二塁打、6番橘内 俊治の適時三塁打と失策で4点を入れて14対2と大きくリードした。6回表にも2点を追加した早稲田実業だが、6回裏、八代も反撃開始。一死一、二塁から8番福田の適時打で1点を返す。押し出し四球と3番江中の2点適時打で一気に4点を返す。そして7回裏、タイムリーエラーと無死満塁から9番吉岡の二ゴロで2点を返し、なおも一死二、三塁から1番正成が左越え適時二塁打を放ち、4点を返し、16対10と6点差まで迫ったが、7回裏終了後、招待試合の大会規定により、試合終了。早稲田実業が7回コールド勝ちを決めた。

 八代は一時は12点差までつけられたが、自分たちの持ち味を発揮できたこと、早稲田実業という全国レベルのチームと対戦したことで、試合後はすっきりした表情で、試合を淡々と振り返っていた。清崎剛監督は「夏の甲子園出場するために今まで練習を重ねてきました。また課題が見つかりましたので、練習をしていきたいと思います」と夏へ向けての構想を語った。

 そして清宮は初回の本塁打について振り返ってもらった。「打ったのは真ん中寄りストレート。うまく仕留めることができて良かったです。去年も熊本の招待試合は予定されていたけど、地震で中止となって、まさかこの機会をいただけるとは思いませんでした。多くの人を喜ばせる一発が打てて良かったです」都大会準々決勝の駒大高戦の2本塁打で復活を遂げた清宮 幸太郎。高校通算80号を打った4月22日からハイペースで、93号まで積み上げた。また清宮が打ち出すと、打線も打ち出す早稲田実業打線の怖さは健在だ。

 だが10失点を喫した投手陣は課題が残り、走塁のボーンヘッドや、守備ミスなど勿体ないミスがあり、それを強力打線でカバーできている形だ。しかし14日に対戦する投手力、打撃力も強力な秀岳館戦では今日の試合内容では厳しい試合が強いられることになるだろう。いつもと違うグラウンド、雰囲気で試合を行う。そこが招待試合の難しさではあるが、和泉監督は「だからこそ選手たちには良い練習になっていると思いますし、自分たちの能力を高められる有意義な場だと思います」と語る。

 早稲田実業はすべての力を結集し、秀岳館にどんな戦いぶりを見せるのか?注目したい。

(取材・写真=河嶋 宗一)

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