南米ペルー、クスコにある古代都市遺跡の地下洞窟内から、エイリアンと思しきミイラ化した小さな頭部と、全身の遺体が発見された。

 

地下洞窟に小型ミイラが!

この発見物が、古代遺跡探索ツアーを目的とするウェブサイト「HIDDEN INCA TOURS」を運営するブライアン・フォルスターの元に預けられた。彼は考古学者や人類学者たちとの交流が豊富なことから、その正体を探るべく専門家による分析を託されたのだ。彼は詳しい発見場所は伏せて、初期情報とミイラの画像を公開した。

 

発見された頭部は後頭部が長く、前後の大きさは約10センチ。頭頂部を中心にひからびた濃いグレーの皮膚が残っている。両目は丸くて異様に大きく、瞳に当たる部分がまぶたを閉じた状態なのか、斜めの筋状になっている。耳とおぼしきものはなく、平坦な鼻は鼻孔がふたつある。口もかなり小さいが、唇らしきものが認められる。

 

また、頭蓋骨の底部も公開されており、フォルスターによれば、骨の厚みが3〜5ミリ、底部に確認できる小さな穴は、大後頭孔にあたる部分で、そこから脊椎が伸びていたのではないかという。

 

もう1体の全身ミイラは、完全に骨と皮だけの状態になっている。頭部は約4センチ、体長は約22センチとかなり小柄である。胸部も腹部も非常に薄い。ひざ下まで届く細くて長い手が特徴的で、手足の指はそれぞれ3本のようだ。

 

大きい方のミイラと同じく後頭部が異様に大きく、耳は見当たらない。両目の瞳も斜めの筋状になっている。

 

このことからも、ふたつのミイラは同じ種類の生物と思われる。大きさから大人と子供かもしれない。

 

公開当初は、ふたつのミイラに対してフェイク説が流れたものの、骨や関節がはっきりと映ったX線写真が公開され、今のところフェイク=作り物説は否定されている。

 

土偶とミイラの「目」

筆者にとって興味深いのが、双方のミイラに共通する目だ。これまで報告されてきたエイリアンや“エイリアンもどき”のミイラなどにはなかった特徴だといっていいだろう。だが、実は、唯一よく似たものが存在している。日本の遮光器土偶である。

旧ソ連のSF作家兼科学評論家のアクサンドル・カザンツェフは、「遮光器土偶は、古代に地球を訪れた宇宙服を着た異星人をモデルにした」と説いている(古代宇宙飛行士飛来説)。

 

彼は、頭部にあたる部分はヘルメット、頭頂部にある角状の突起はアンテナの類い、大きな目は文字通り光を遮るための遮光器だと指摘。さらに、土偶のモデルとなった異星人が、太陽の光が乏しい薄明りの惑星から来た可能性をも示唆していると語る。

 

これが事実ならば、今回発見された小型のミイラも、同様の惑星から飛来してきたのだろうか? だとすれば、陽射しを避けるために洞窟に生息していたのかもしれない。そしてまた、土偶のモデルとなった異星人も、実はかなり小柄だったとしたらどうだろう。

 

もしかして、ルーツが同じなのだろうか? 断言はできないが、新たな謎が生まれたことだけは確かである。

 

同じ洞窟から無気味な手も発見

実は、小型のミイラが発見された洞窟で、大きな手のミイラも発見されている。これも前述のフォルスターが公開したものなのだが、手首から先の部分しかなく、3本指で、それぞれの長さは約20センチと異様に長い。フォルスターたちの間で「エイリアンの爪」と呼ばれているそうだ。

初期のX線分析で、それぞれの指に6つの関節が存在していることが判明。ちなみに、人間の手の指の関節は3本。このデータを受けて、クスコの医師エドソン・サラザール・ヴィヴァンコ博士は、「明らかに人間の手ではないが、爪の部分が人間のものと酷似している。その関連については今後の分析次第で判明するだろう」「まちがいなくこれは骨と皮膚組織で構成されている生物だ」という。

 

フォルスターは、頭骨からも骨片や皮膚のサンプルを採取して、信頼できる分析を実行するために全力を尽くしたいと述べている。

 

ふたつの小型ミイラと巨大な手の生物の関係、そして正体は何なのだろうか? ただ、今はその分析結果を待つことにしたい。

(「ムー」2017年4月号より抜粋)

文=並木伸一郎

 

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