前節の新潟戦同様、抜群の存在感を見せた闘莉王。チームを牽引した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J1第2ステージ12節]名古屋1-3G大阪/9月17日/豊田ス
 
 前節の新潟戦で239日ぶりにJリーグに復帰した闘莉王が、慣れ親しんだ豊田スタジアムへのカムバックを果たした。
 
 闘莉王の名前がコールされた瞬間にはG大阪サポーターから盛大なブーイングが飛ぶ。相手にも強く意識されるほど、闘莉王はこの日も抜群の存在感を放った。
 
 そして闘将の咆哮に応えるようにチームメイトたちも躍動感溢れるプレーを見せる。
 
「前節よりはクロスが増えていたし、相手のところでやれた部分もたくさんあった。1-1の状況でどっちが勝ってもおかしくなかった。3失点するような差じゃなかった」
 
 闘莉王も試合後にそう振り返った。
 
 しかし、勝点4差で追う新潟が日中のゲームで敗れていただけにどうしても勝点3が欲しいゲームでもあった。試合内容に小さくない手応えを得ていた闘莉王も「でも勝点0だったらなにもならない」と続ける。
 
「俺らは良い時間帯に失点をしているからね。自分たちのリズムでやっている時に。そこは修正しなくちゃ。リードしたい。常に追いかけなきゃいけないのは結構辛い」
 
 理想はチーム一丸となってチャンスをモノにし、先手を取るゲーム展開だ。
 
 リーグは残り5戦、追い抜かなくてはいけない新潟とは勝点差4のまま、甲府とは勝点5差に広がった。
 
「1試合1試合、次はアウェー(仙台戦)ですけど、勝ちに行く試合をしたい。新潟どうの、甲府どうのじゃなく僕らは勝つしかない。いつも言っているように1試合でひっくり返せるような追い込みができれば、この状態を脱出できるチャンスはあると思う」
 
 今季初の連勝とはならなかったが、母国ブラジルから愛するクラブの苦境を救うために戻ってきた男の顔には諦めという色は一切ない。
 
 勝負が決する残り5戦、闘莉王とチームの記憶に色濃く残るであろう日々が始まる。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)