全国知事会長の麻生渡福岡県知事(撮影:吉川忠行)
地方の声を反映させた形の国・地方の税財政改革(三位一体改革)を求め、地方6団体(全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村長会、全国町村議会議長会)は1日、東京都千代田区の日本武道館で、総決起集会「『分権改革日本』全国大会─結束6団体─」を開いた。

 全国知事会長の麻生渡福岡県知事は、義務教育国庫負担金の税源移譲など重要案件を昨年、政府・与党が先送りしたことを「まさに不完全・不満足改革だ」と批判。「国が地方の信頼を裏切ることがあれば一致結束して決戦を挑み、断固として戦い抜く」と気勢を上げた。

 知事、市町村長や地方議会議員ら7700人が出席、国会議員119人も参加した。地方6団体は◆地方側の改革案に沿った3兆円規模の税源移譲の実現◆先送りされた税源移譲額6000億円を公立学校の施設整備費などに優先してあてる◆05年度の地方交付税改革総額の確保◆8兆円規模の税源移譲を目指した07年度以降の第2期改革の着手◆国と地方の協議の場の制度化─などを求める決議をした。政府が6月下旬に策定する重要政策の基本方針「骨太の方針2005」に地方の意見として反映させる狙い。

 来賓として参加した麻生太郎総務相は「残る義務教育や生活保護など協議中の問題は06年度までに確実に達成する」と約束、「総務省としても一緒に頑張りたい」と述べた。

 同席した自民党の与謝野馨政調会長は、税制改正で残る6000億円の補助金改革を「所得税から住民税への税源移譲を実現する」と発言。また、民間より高水準の公務員給与に国民からの批判があることを挙げながら、「徹底した歳出削減などで行政の効率化で地域住民の信頼を勝ち得ていくことが必要」「安易に国民や地域住民に負担をとらせるような姿勢は慎むべき」と地方自治体による自己改革を注文した。

 閉会後の記者会見で、麻生知事会長は「今後の活動方針を確立できたのが大きな成果。民間団体の参加もあり、地方分権を国民運動としていく大きな一歩」と語った。【了】