【南イタリアを満喫】マテーラの洞窟住居「サッシ」はまるで石器時代にタイムスリップしたかのようなスポット
イタリアのバジリカータ州の町マテーラ。
石灰質の岩肌に作られた「サッシ」と呼ばれる洞窟住居があることで知られてます。
マテーラは、イタリア半島を長靴にたとえるとちょうどくるぶしにあたるところに位置しています。
マテーラの洞窟住居として1993年にユネスコの世界遺産に登録されたのをきっかけに観光地として認知され、多く観光客も訪れ、日本でも認知されつつありますが、まだまだイタリアの中でも穴場的と言えるスポット。
無数の洞窟住居が谷の斜面の崖にへばりつくように並んでいる景観は圧巻。
石灰岩に掘られた横穴式住居の上に家が建てられ、そのまた上に家が積み重なり、もうどこからどこまでが山でどこまでが家なのかもわからないほど。
サッシは新しく改築された洞窟施設もあり、現在も人が住み利用されています。
一度見たら忘れられないこの光景は、まるで人類が誕生した石器時代にタイムスリップしたかのような錯覚におちいる瞬間を味わうことができます。
時間が止まったかのように、ひっそりと静まり返る町の中は、まるで迷路のように複雑な構造をしているので、観光する際は歩きやすい靴で行くことをお勧めします。
町を歩いていると時折出会うお土産屋さん。路面で売っているお土産はどれもとっても手が込んでいて、思わず手にとってみたくなるものばかり。
伝統的なマテーラの工芸品で、テラコッタで作った鳥の形をしたオカリナが有名です。
サンタマリア・デ・イドリス教会の裏にあるカーサ・グロッタは、1956年まで農民が暮らしていた洞窟住居で、当時の生活の様子のまま再現されている家の中を見学することができます。
排煙しやすいように、入口のすぐそばにキッチンがあり、調理道具なども当時のまま保存されています
洞窟内の中央には井戸があります。
水道の設備はないため、雨水を地下の貯水穴に溜めるシステムになっていて、そこから汲み上げていたそうです。
洞窟内の住居は、日が当たらなく湿気がこもるため、衛生上に問題があったと言われています。
電気や水はなく、家畜との同居も余儀なくされていました。
寒さが厳しいマテーラでは大切な家畜を守るため、そして同時に家畜の熱で人間が暖をとる、という事が生きるための知恵だったそうです。
ベッドが床からかなり高い位置にあるのは、湿気を防ぐため、そしてベッドの下の空いた空間に藁(わら)などを置くためだそうです。
ベッドの下では鶏まで飼われていたそうです。
マテーラの郷土料理が豊富に食べられるレストラン。
洞窟住居を改造して造ったレストランは天井が高く、ピザを焼く石窯の中にいるかのようです。
良質な小麦の産地としても知られているマテーラのパンは絶品と言われており、イタリアの他県から購入しにくる人もいるほど人気。
厚みのある耳はガリガリと固いのですが、その内側は驚くほどもっちりとして、食べると口の中でしっとりと小麦の味わいが広がっていきます。
マテーラでは、そんな良質な小麦をつかったパスタ料理も有名です。
イタリアにはたくさんのパスタがありますが、南部で味わっておきたいのが「オレキエッテ」や「カヴァテッリ」というショートパスタ。
もちもちっとした食感と、生地がクルンと丸まっているので、その溝にソースが絡み、食感、味ともに最高の味わいを楽しむ事ができます。
そして、イタリアが誇るドルチェ「ビニエ」はイタリア語でシュークリームの意味。
世界的にも人気のイタリアのシュークリームはどれも絶品です。
実はイタリアではシュークリームの皮だけが袋詰めで市販されており、1袋20〜30個の量で販売されているそうです。
南イタリアを訪れた際は、ちょっと遠くに足を伸ばしてでも訪れたいマテーラ。
実はマテーラは、イタリアがホスト国のひとつとなる2019年の欧州文化首都となることが決定した町です。
まだまだ日本人を含め外国人観光客であふれることなく、ゆっくりと観光できる穴場スポットですが、一度足を踏み入れて、迷路のような町並みと、タイムスリップしたような場所を体験してみてはいかがでしょうか。
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