指しゃぶりや爪かみといった「悪い習慣」にアレルギーを防ぐ力があるという研究結果
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By talkingplant
子どものころに自分の指を吸ったり爪をかんだりして親に怒られることがありますが、これらの「悪い習慣」を持っていた子どもは、免疫系が強化されてアレルギーの発症率が低下するということを示す研究結果が発表されました。
Thumb-Sucking, Nail-Biting, and Atopic Sensitization, Asthma, and Hay Fever | Articles | Pediatrics
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2016/07/07/peds.2016-0443
Sticking germy fingers in your mouth may give you the upper hand on health | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/07/nail-biters-thumb-suckers-rejoice-noshing-finger-germs-may-thwart-allergies/
ニュージーランドにあるDunedin School of Medicineのステファニー・リンチ氏は、幼児期など人生の早期で微生物に触れることで、アレルギーのリスクが減少するという衛生仮説をもとに、「指しゃぶり」や「爪かみ」という幼児特有の習慣が微生物の露出を増加させ、アトピー・ぜんそく・花粉症などに対する耐性を持つという仮説を立てました。研究チームはこの仮説を検証するべく、ダニーデン大学が1972年〜1973年に生まれた1037人の子どもを対象に行っていた出生コーホート調査を引用しました。
ダニーデン大学の追跡調査で、子どもの両親は子どもがそれぞれ5歳・7歳・9歳・11歳の時に指しゃぶり・爪かみの習慣を持っているかを報告しています。さらに13歳・32歳の時に皮膚プリックテストを実施し、イエダニ・花粉・犬・ネコ・馬・羊毛・アスペルギルス症などを引き起こすカビ類などのアレルゲンを持っているかどうかが調査されました。両親の報告によると、子どもの31%は5歳・11歳の時点で指しゃぶり・爪かみの習慣を片方、もしくは両方持っていると報告しています。724人の子どもが13歳時点の皮膚プリックテストを受け、そのうち45%は少なくとも1つのアレルギーを持っていることがわかっています。
リンチ氏の研究チームがこれらのデータを「指しゃぶり」「爪かみ」の習慣の有無で分類したところ、指しゃぶり・爪かみのどちらか1つの習慣を持っていた子どものうち、アレルギーを持っていたのは41%で、両方の習慣を持っていた子どものうちアレルギーを持っていたのは31%だったとのこと。32歳時点で946人が皮膚プリックテストを受けたのですが、指しゃぶり・爪かみの習慣を持っていた人たちの結果は、13歳時点とほとんど変わっていないことがわかりました。
研究結果は幼児期の指しゃぶり・爪かみの習慣により、微生物や細菌を口に入れていたことで、大人になってもアレルギーを発現する可能性が約30%〜40%減少することを示しています。一方で喘息や花粉症については、指しゃぶり・爪かみの習慣との関連は発見されなかったとのこと。「悪い習慣」がいくつかのアレルギーを防止する可能性が示唆されましたが、これらの習慣は歯のかみ合わせを悪くすることや、別の感染症のリスクを上昇させることもあります。リンチ氏は「悪い習慣を推奨するわけではありません」と強調しており、別の子どものグループでも不衛生な習慣とアレルギーの関係を調査する追加研究が必要であると述べています。
By Subharnab Majumdar
By talkingplant
子どものころに自分の指を吸ったり爪をかんだりして親に怒られることがありますが、これらの「悪い習慣」を持っていた子どもは、免疫系が強化されてアレルギーの発症率が低下するということを示す研究結果が発表されました。
Thumb-Sucking, Nail-Biting, and Atopic Sensitization, Asthma, and Hay Fever | Articles | Pediatrics
Sticking germy fingers in your mouth may give you the upper hand on health | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/07/nail-biters-thumb-suckers-rejoice-noshing-finger-germs-may-thwart-allergies/
ニュージーランドにあるDunedin School of Medicineのステファニー・リンチ氏は、幼児期など人生の早期で微生物に触れることで、アレルギーのリスクが減少するという衛生仮説をもとに、「指しゃぶり」や「爪かみ」という幼児特有の習慣が微生物の露出を増加させ、アトピー・ぜんそく・花粉症などに対する耐性を持つという仮説を立てました。研究チームはこの仮説を検証するべく、ダニーデン大学が1972年〜1973年に生まれた1037人の子どもを対象に行っていた出生コーホート調査を引用しました。
ダニーデン大学の追跡調査で、子どもの両親は子どもがそれぞれ5歳・7歳・9歳・11歳の時に指しゃぶり・爪かみの習慣を持っているかを報告しています。さらに13歳・32歳の時に皮膚プリックテストを実施し、イエダニ・花粉・犬・ネコ・馬・羊毛・アスペルギルス症などを引き起こすカビ類などのアレルゲンを持っているかどうかが調査されました。両親の報告によると、子どもの31%は5歳・11歳の時点で指しゃぶり・爪かみの習慣を片方、もしくは両方持っていると報告しています。724人の子どもが13歳時点の皮膚プリックテストを受け、そのうち45%は少なくとも1つのアレルギーを持っていることがわかっています。
リンチ氏の研究チームがこれらのデータを「指しゃぶり」「爪かみ」の習慣の有無で分類したところ、指しゃぶり・爪かみのどちらか1つの習慣を持っていた子どものうち、アレルギーを持っていたのは41%で、両方の習慣を持っていた子どものうちアレルギーを持っていたのは31%だったとのこと。32歳時点で946人が皮膚プリックテストを受けたのですが、指しゃぶり・爪かみの習慣を持っていた人たちの結果は、13歳時点とほとんど変わっていないことがわかりました。
研究結果は幼児期の指しゃぶり・爪かみの習慣により、微生物や細菌を口に入れていたことで、大人になってもアレルギーを発現する可能性が約30%〜40%減少することを示しています。一方で喘息や花粉症については、指しゃぶり・爪かみの習慣との関連は発見されなかったとのこと。「悪い習慣」がいくつかのアレルギーを防止する可能性が示唆されましたが、これらの習慣は歯のかみ合わせを悪くすることや、別の感染症のリスクを上昇させることもあります。リンチ氏は「悪い習慣を推奨するわけではありません」と強調しており、別の子どものグループでも不衛生な習慣とアレルギーの関係を調査する追加研究が必要であると述べています。
By Subharnab Majumdar