スタメンに抜擢された杉本は、献身的に守備に貢献したが、攻撃では持ち味を発揮できなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第1ステージ17節]鹿島2-0福岡 6月25日/県立カシマサッカースタジアム
 
 カイオの出場停止を受け、第1ステージ優勝を決める大一番でスタメンのチャンスを掴んだ杉本太郎は、左MFとして77分間プレーした。
 
「使ってもらった以上は、チームを代表していますし、責任や誇りを感じながらやっていました」との言葉通りに軽いプレーはなく、献身的に動き回ってスペースを埋め、身体を張った。2-0の無失点勝利に、「そこは最低限できたかなと思います」という守備で貢献したのは、動かしがたい事実だろう。
 
 とはいえ、杉本は、手応えよりも、後悔のほうが強いようだ。持ち味である攻撃面で力を発揮できなかったからである。
 
 本人が特に気にしていたのは、65分の決定機のシーンだ。遠藤からのラストパスをエリア内で受けた杉本は、一度切り返し、右足に持ち替えてシュートを打った。しかし、これがDFにブロックされてしまう。
 
「(あの場面は)左足で打ちたかったですね。あれかぁ……」
 
 ため息混じりにそう振り返った後、「後悔が残る?」との質問に「そうですね」と答えた。
 
 あるいは、あの場面で左足を振り抜いていたら、勝敗の行方を決定付ける3点目が生まれていたかもしれない。そのゴールは、成長途上の20歳の若者が自信を得る絶好の機会になっていたはずだ。それだけに、本人にとっても痛恨のワンプレーだったのだろう。
 
「チャンピオンシップを取らないと意味がないと思うので、それに向けて頑張ります」
 
 そう気持ちを切り替えてミックスゾーンを去った杉本は、優勝の喜びよりも後悔を抱えていた。そして、その悔しさを晴らすべく、第2ステージでの”リベンジ”を心に誓っているようだった。