スイス最大の街・チューリヒは緑に囲まれた文化都市。

チューリヒ観光のハイライトのひとつが教会めぐりではないでしょうか。

今回はそんなチューリヒ観光のハイライトにおける教会めぐりで、絶対に見ておきたい教会を3つご案内しましょう。

中央駅からチューリヒ湖に向かって歩いていくと、一番最初に目に入るのが大きな時計をもつ聖ペーター教会です。

チューリヒで最も古い教会で、857年の文献にすでにその存在が記されています。

この教会を有名にしたのは、1534年に建てられた時計塔で、時計の文字盤は直径8.7メートル、時針3メートル、分針4メートルと、ヨーロッパ最大。

さすがは時計の国、スイスですね。

街のさまざまな場所から目に入る、チューリヒのランドマークのひとつとなっています。

この塔は1911年まで火の見やぐらとして使用され、火災から街を守る役割を果たしていたのだとか。

印象的な外観に比べ、教会内部は意外なほどシンプルな構造になっています。

それゆえ真っ白な壁と天井、そしてそこに施された彫刻の美しさがいっそう際立ち、これまで目にしたどの教会とも違った印象を与えます。

聖ペーター教会からほど近いリマト川沿いに位置するのが聖母教会。

天に向かってすっと伸びるブルーの尖塔が印象的です。

12世紀から15世紀に建てられたゴシック様式の代表的建築物で、1970年にシャガールが描いたステンドグラスで知られています。

残念ながら教会内部の写真撮影は禁止ですが、シャガールを知る人ならひと目でそれとわかる赤、青、緑、黄を基調にしたステンドグラスは、ほの暗い教会の中できらめくような色彩を放ち、幻想的な空間をつくりあげています。

リマト川をはさんで聖母教会の向かいに見えるのが大聖堂です。

スイス最大のロマネスク様式の教会で、2本の塔をもつユニークな姿をしています。

11世紀から12世紀初頭にかけて建てらたもので、かつてこの場所にはフランク王国の国王・カール大帝が築いた教会堂があったともいわれています。

内装自体は質実剛健といった趣ですが、印象的なのが色とりどりのステンドグラス。

東側の窓のステンドグラスは、100フラン紙幣にもその肖像が描かれているスイス人彫刻家、アルベルト・ジャコメッティの作品。

1941年生まれのドイツ人芸術家、シグマー・ポルケが手掛けたでモダンで個性あふれるステンドグラスも目を引きます。

「贖罪の山羊」や「ダビデ王」といった聖書に関連するモチーフが豊かな色彩と現代的なデザインで表現されており、その透明感は「素晴らしい」の一言。

こちらも内部の写真撮影は禁止のため、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

大聖堂に来たら見逃せないのが塔からの景色です。

狭く急な階段をのぼり塔の上にたどり着くと、そこから見えるのはほぼ360度のパノラマ。

街の中心を流れるリマト川とそれに続くるチューリヒ湖、そして緑に囲まれた中世の面影を残す街並み…

近代都市でありながら豊かな自然と歴史の香りを守り続けてきたチューリヒの風景がそこにあります。

晴れた日のここからの眺めはまさに絶景。

チューリヒの街には「真の豊かさとは何か」という問いに対する答えの一つがあるように感じられます。

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