8日、有明コロシアムでは、プロボクシングのダブルタイトルマッチが行われ、WBOスーパーフライ級王者・井上尚弥が同級1位のダビド・カルモナと、IBFライトフライ級王者・八重樫東が同級11位のマルティン・テクアペトラと、それぞれ対戦した。

結果はともに判定勝利で防衛に成功。井上は序盤から有効打で上回るも、タフなカルモナを仕留め切れず。八重樫はテクアペトラと一進一退の攻防を繰り広げ、執念で接戦をものにした。すると試合後の両王者は、フジテレビ「スポーツLIFE HERO'S」に生出演し、死闘を振り返っている。

「最終ラウンドだったんで潰しにいく気持ちで。最後なんで力出し切って終わろうと思ってた。やっぱりああいう感じになっちゃいました。相手もタフな選手でなかなか倒れてくれないのでキツイ試合でしたね」。

最終ラウンドの殴り合いを含め、こう試合を振り返った八重樫に続き、井上も「(判定は)初めてですね。思った以上に動けたんですけど相手がタフで倒し切れなかった。あとちょっとでしたね。スパートかけるのが遅かった」と反省の弁。

それでも「(試合中に)両手痛めちゃって」という井上は、スタジオで両手を見せると、なんと手を握ることもできない状態だった。「ボディとかなるべく柔らかいところを打つようにして」と痛めた拳をかばいながらのファイトだったことを明かすと、「ラッシュかけて倒し切れなかった時、それで余計に手を痛めちゃって。その後どうしようかなって・・・」と試合中の苦悩も――。

また加藤綾子アナウンサーから目の周囲が腫れた痛々しい顔を心配された八重樫は「ありがとうございます。僕の顔が腫れるっていうのはお家芸になっているんで」などと笑いを誘ったが、死闘の痕が残る井上の顔には「やっとプロボクサーらしい顔になりましたね」と目を細めた。

コーナーの最後には、それぞれの家族に感謝の言葉を述べた両王者。井上は妻に対し「料理から何から全部やって貰っている。(試合のことは)基本触れないような、そっと見守って貰っている感じ」と話すと、3人の子供を持つ八重樫は「試合中耳に入ってくるんですよ。長女の声が」と切り出すと、「僕ずっと減量入ると一人暮らしして家空けるんですけど、1ヵ月ぶりくらいに(子供達に)会って。自分の力の源ですね」としみじみと語った。