つい先日に打ち上げから26周年を迎えた、ハッブル宇宙望遠鏡。今も元気に観測を続ける同宇宙望遠鏡が捉えたのは、なんとも不思議な形状をした「赤い長方形星雲」です。まるで赤みがかかったクロスか長方形が、宇宙空間に漂っているようですね。
 
このHD44179とも呼ばれる星雲は、いっかくじゅう座の方向に位置する原始惑星状星雲です。原始惑星状星雲とは太陽に近い質量の恒星が恒星風によってガスを吹き出し、そのガスが恒星からの光によって照らしだされ、このような美しい星雲を形作ります。そしてこの星雲はそのほとんどの質量を失い、寿命を迎えようとしているのです。
 
赤い長方形星雲の中心には2つの恒星が連星(あるいは双子星)として存在しています。そして連星の周りに存在するドーナツ状の星間塵によって連星からの光が絞られ、このようなX字の星雲ができると考えられているのです。
 
今後中心の恒星は白色矮星となり紫外線を放ち、周りの星雲は惑星状星雲となることが予想されています。私たちの太陽も赤色巨星を経た後に白色矮星となり寿命を迎えることが予想されていますが、それは数十億年後の話。それを観測できる人類は(少なくとも太陽系には)いないことでしょう。
 
Image Credit: ESA, NASA
■Hubble Telescope Captures Sharpest Image Yet of Mysterious Red Rectangle
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