3つ目のiPhone SEはなぜ登場したの? それぞれ違う片手操作とアップルの変化とは

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iPhone SEは、4インチディスプレイを採用した小さな本体に、iPhone 6sシリーズとほぼ同等の性能を搭載した製品だ。

なぜ、あえて小さいiPhone SEが必要だったのだろうか?
どうして、iPhone SEは追加モデルとして発売されたのだろうか?

iPhone SEの「SE]は、「Special Edition」(特別版や特別なモデル)といった意味があるという説もある。これは、アップルの正式な発表でないが、Apple幹部Philip Schiller氏のコメントらしい。

本当の「SE」の意味は現時点でも不明だが、ネットでは「Small Edition」と称する人もいる。

諸説あるが、一つ確かなことは、iPhone SEが、微細な仕様の違いはあるが、既存のiPhone 6s/iPhone 6s Plusと同等の性能をもった製品であるということだ。

しかし、ほぼ同じ性能を持つiPhone SE/iPhone 6s/iPhone 6s Plusは、「ディスプレイサイズ」という、誰が見てもハッキリとわかる違いがある。
iPhone SE   は、4インチ
iPhone 6s   は、4.7インチ
iPhone 6s Plus は、5.5インチ

だが、この3つのディスプレイの違いは、どのような影響があるのだろう?

普通の人であれば、大きさの違うiPhoneを複数使うことは、まずないだろう。
当然、数字の上でのサイズをみても、大きいか、小さいか、どちらかで良いとも言える。
あえて3つ目の小さなiPhone SEは、なぜ必要なのだろう。

■1画面で表示できるアプリ数(アイコン数)が違う?
3つのiPhoneでの違いの1つは、標準で1画面に表示されるアイコン数だ。

iPhone SEの場合は、1画面で、24個のアイコンが表示される
・横に4個のアイコン
・縦に5列のアイコン
・下段1列のアイコン

これが、iPhone 6s/6s Plusの場合は、1画面で、28個のアイコンが表示される
・横に4個のアイコン
・縦に6列のアイコン
・下段1列のアイコン

単純にアプリを1ずつ並べた場合、1画面で4つiPhone SEは少なくなる。
つまり、よく使う機能やアプリが、24個以上ある場合、25個目からは、2ページ目に表示されるので、毎回、ページをめくる必要がでてくるわけだ。

■同じ片手操作でも、でできることが違う
スマホの大きさを判断する際によく使われる基準が、「片手操作」だ。
4インチのiPhone SEや4.7インチのiPhone 6sは片手で持ちながら操作ができる。
5.5インチのiPhone 6s Plusは、片手保持できるが、持った片手での操作は難しい。

と、一般に言われている。

しかし、同じ片手で持って使えるiPhone SE/iPhone 6sでは、片手操作の内容が少し違うのだ。

iPhone SEの場合、持った手の親指が、画面の上下左右まで届く。
・横画面の左から右まで、親指が届く
・縦画面の上から下まで、親指が届く
つまり、片手でほぼ全画面をタッチできることになる。
※持った手の対角線上部に届かないこともある
※手の大きさにより、差はある


指が画面の上下左右まで届くiPhone SE


一方、iPhone 6sの場合、
・横画面の左から右まで、完全には親指が届かない
・縦画面の上から下まで、完全には親指が届かない
つまり、半分以上片手でタッチ操作できるが、全画面をタッチできるわけでないということだ。


完全には親指が届かないiPhone 6s


iPhone 6s Plusの場合は、片手で持てるが、親指が届く場所は限られる。
・持った手の4隅のコーナーエリアほどしか操作できない


親指が届く場所は限られるiPhone 6s Plus


実は、この違いは、ホーム画面の操作だけなら、そう影響はない。
しかし、本体の設定やアプリの利用、メール、SNSなどのメッセージ投稿などでは、かなりの影響がある。
設定やアプリなど、機能の多いツールは、「投稿ボタン」や「投稿欄」「メニュー」など、多くの機能が、画面の上下左右のコーナーによっているからだ。

iPhone 6s Plusは、片手持つことはできるが、片手だけでる操作は、わすかだ。その代わりに大きな画面で動画や文字が非常に見やすく、使えるアプリ数も多く、ゆっくり操作しやすい。

iPhone 6sは、片手で持てて、文字や動画なども見やすく、大多数の操作やアプリ内の大まかな操作も片手で、素早く操作ができる。

iPhone SEであれば、片手でほぼ全ての操作ができる。動画や文字などは表示が小さくなるが、どのような場所でも素早く使うことができる。


これまでのアップルは、1つの使い方のユーザーが合わせることで便利さを実現してきた。

しかし、iPhone SEの登場は、今のアップルがユーザーニーズにiPhoneを合わせることで、ユーザー負担を軽くして満足度を上げる方向に転換したことを表す証なのかもしれない。