部下に対する振る舞いとして「バカ」と感じる行為ランキング

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仕事メールに顔文字、会議中のケータイ、ご馳走してもお礼なし。この中で最もバカにされるのはどれ?上司や部下など社内の人、お客様や協業パートナーなど社外の人。それぞれの相手からバカにされる振る舞いがわかった!

1位は、「部下の手柄を自分の手柄にする」。部下にとってみれば、自分が一生懸命やった仕事を上司1人でやり遂げたような顔をされてはたまらない。

モチベーションも下がり、確かに心穏やかではいられないだろう。「これはうちの○○ががんばってくれました」と本当のことを言える上司のほうが尊敬されることはいうまでもない。

ただし部下の立場に立つと、長い目で見てためになることもあるのだ。なぜならそうすることで上司がその上の上司から高く評価されれば、必ず部下に感謝するようになるからだ。そのため「いいじゃないか、喜んで手柄を差し出そうよ」と私はアドバイスしている。

2位は「責任意識がなく、部下が困っていても逃げる」。本来、上司の仕事は、仕事を任せた「部下の責任をとる」ものだ。部下が失敗してしまったのは自分の指導がまずかったと反省し、困っている部下を助けることができなければ、バカにされても仕方がない。

3位は「自分より先に退社すると怒る」。上司がまだ仕事をしているからといって、「つきあい残業」をするのは前近代的だ。こんなことで怒られてはたまらない。しかしいま、生産性を求められる管理職の多くは、部下を早く帰すようにと会社から厳しく言われている。

それでも上司が怒るとすれば、真意は別のところにあるのかもしれない。たとえば「チームに貢献できる君ならではの仕事がまだあるのに、自己完結するな」という意味で怒っている可能性もある。部下としては、自分が想定していた仕事が終わったら帰るのは自由だ。しかし、ときにはほかのメンバーの仕事に関心を持ち、手を貸すことで自分の仕事の幅も広がる。

最下位は「特定の部下とばかり飲みにいく」。これを「気にならない」と答えた人が多かった理由は、おそらく昔のように豪快に部下を飲みに連れ回す上司が減ったからだろう。上司にかわいがられるということは、出世できることを意味するが、若い世代を中心に「プライベートを犠牲にしてまで出世したくない」という人も増えた。ある調査によれば、「平日毎日自宅で夕食をとる人」はバブルの頃1割程度だったのが、いまでは半数を占めるという。育児や介護で時間外を自由に使えない人も増えている。その結果、飲みに連れていってもらえる人に嫉妬することも減っているわけだ。

しかしこれは、部下とコミュニケーションをとる機会が減っているということでもある。上司は「部下と話すのも仕事の一つ」と位置づけて、業務時間内に部下との交流の時間を積極的に確保することをお勧めしたい。

▼仕事で好かれるマナーの大原則
1.「部下と話す」も立派な仕事と心得よ
2.手柄横取りはNG
3.困っているとき助けてこそ上司

【調査概要】楽天リサーチの協力を得て実施。対象:組織で働く1000人(20〜50代、男女比1:1) 期間:2014年3月3〜5日 【集計方法】回答を次のようにポイント化して集計(救いようがないバカ:4、かなりバカ:3、ちょいバカ:2、気にならない:1)

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FeelWorks代表・青山学院大学兼任講師 前川孝雄
1966年生まれ。リクルートで「リクナビ」等の編集長を経て起業。企業の人材育成を手がける。独自開発した「上司力研修」は延べ100社超で導入。

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(FeelWorks代表・青山学院大学兼任講師 前川孝雄 構成=長山清子)