まるでバブル当時の日本だ・・・中国企業が積極的にM&Aを展開
1980年代、日本経済がバブルに沸いていたころ、日本企業は米国をはじめとする国々で企業買収を積極的に行った。当時、割高な金額で企業を買収し、バブル崩壊後に割安な金額で買収先を手放した日本企業は少なくない。
中国企業がシカゴ証券取引所を買収するとして大きな注目を集めたとおり、現在は中国企業がかつての日本企業のように企業の買収を積極的に行っている。中国メディアの華爾街見聞はこのほど、現在の中国企業のM&Aは80年代の日本を彷彿とさせると主張する一方、中国企業の買収には明確な目的があると論じた。
調査会社ディールロジックによれば、2016年が始まってわずか1カ月あまりの期間に中国企業は国外で82件のM&Aを行った。記事は、M&A総額は730億ドル(約8兆5119億円)に達した。15年の同期間における件数は55件、金額は62億ドル(約7229億円)だったため、金額でみれば10倍以上も増えていることになる。
世界4大会計事務所の1つに数えられるアーンスト・アンド・ヤングによれば、15年に中資集団有限公司はドイツの36の企業を買収した。09年の買収はわずか2社だったため、M&A件数の増加ペースは異常とも言えるほどだ。中国企業のM&Aが異常に増えている理由として、一部では「中国企業が多額の資金を持て余していること」のほかに、「中国企業が構造改革の必要に迫られている」との分析もある。
記事は、こうした中国企業による異常に活発な海外M&Aは80年代後期の日本を彷彿させると指摘。しかし、当時の日本企業と異なる点は、80年代後期の日本がバブルの真っ只中でM&Aを活発に行ったのに対し、現在の中国は経済成長の速度が落ちている状態でM&Aを行っている点にあると主張。中国企業は海外M&Aを「自らを成長させるために必要不可欠な手段」と見ていると論じた。
また、80年代後期の日本企業によるM&Aは海外から企業売却の話があっただけでなく、金融機関も積極的に資金を貸し出すという風潮のもとで行われたと主張し、「戦略的M&A」とはまったく異なるものであり、後々に元手を割った価格で手放す無意味なM&Aも数多く存在したと主張した。一方で、現在の中国企業は構造改革という明確な目的のもとにM&Aを実施しているとし、現在の中国企業のM&Aはバブル当時の日本とはまったく意味合いが違うと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国企業がシカゴ証券取引所を買収するとして大きな注目を集めたとおり、現在は中国企業がかつての日本企業のように企業の買収を積極的に行っている。中国メディアの華爾街見聞はこのほど、現在の中国企業のM&Aは80年代の日本を彷彿とさせると主張する一方、中国企業の買収には明確な目的があると論じた。
世界4大会計事務所の1つに数えられるアーンスト・アンド・ヤングによれば、15年に中資集団有限公司はドイツの36の企業を買収した。09年の買収はわずか2社だったため、M&A件数の増加ペースは異常とも言えるほどだ。中国企業のM&Aが異常に増えている理由として、一部では「中国企業が多額の資金を持て余していること」のほかに、「中国企業が構造改革の必要に迫られている」との分析もある。
記事は、こうした中国企業による異常に活発な海外M&Aは80年代後期の日本を彷彿させると指摘。しかし、当時の日本企業と異なる点は、80年代後期の日本がバブルの真っ只中でM&Aを活発に行ったのに対し、現在の中国は経済成長の速度が落ちている状態でM&Aを行っている点にあると主張。中国企業は海外M&Aを「自らを成長させるために必要不可欠な手段」と見ていると論じた。
また、80年代後期の日本企業によるM&Aは海外から企業売却の話があっただけでなく、金融機関も積極的に資金を貸し出すという風潮のもとで行われたと主張し、「戦略的M&A」とはまったく異なるものであり、後々に元手を割った価格で手放す無意味なM&Aも数多く存在したと主張した。一方で、現在の中国企業は構造改革という明確な目的のもとにM&Aを実施しているとし、現在の中国企業のM&Aはバブル当時の日本とはまったく意味合いが違うと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)