2015年12月14日、次のような写真付きのツイートが投稿され、注目を集めている。

写真はクリスマスツリーのようだ。モミの木だろうか、濃いグリーンの木々に飾られているオレンジ色の球体が、よく映える。しかしよく見ると、オレンジ色の飾りは、なんとみかんそのものではないか?モミの木にみかんとは......。

クリスマスツリーが日本文化に融合か?

このツリーは、松山市にある「アエル松山」前に立つ「大街道みかんツリー」だ。高さ4.5メートルのツリーには、みかんが約500個飾られている。

「みかんの里八幡浜」では、ツリーがなんと30本...


八幡浜のみかんツリー(写真提供:西川久美さん)

みかんのクリスマスツリーが飾られているのは、松山市の商店街だけではない。

愛媛県のみかん収穫量は全国の約15パーセントを占め、和歌山県に次ぐ第2位。その愛媛県内でもっともみかんの生産量が多いのが、県西部に位置する八幡浜市である。ここでも、みかんのクリスマスツリーが作られ、12月14日、同市内のJA西宇和本店で点灯式が行われた。

Jタウンネット編集部は電話で話を聞いてみた。電話に出てくれたのは、JA西宇和の八幡浜女性部の西川久美さん。「みかんの里八幡浜」で長年みかんを生産している。みかんツリー実行委員会のリーダーだ。

そもそものきっかけは、約10年前。松山市でみかんのクリスマスツリーが始まったことを聞き、その主催者である「イケメン連」に指導を受け、スタートしたという。


みかんの皮を貼り合わせた(写真提供:西川久美さん)

みかんツリーの作り方はこうだ。

みかんの皮に切れ目を入れて、中の実を取り出し、皮に瞬間接着剤を付けてくっつける。約1週間ほど乾燥させて、カラカラに乾いたら、緑のテープを貼って形を整える。緑のテープからLEDを差し込めば、みかんランプの完成。1本のツリーに200個からの300個のみかんランプを飾り付ける。


LEDが光るとこんなふうに輝く(写真提供:西川久美さん)

「みかんの里八幡浜」ならではのクリスマスツリーにしたいという熱意が広がり、市役所やJA職員など多くの人が協力してくれるようになった。現在では、JAの各支店はもちろん、市役所、JR八幡浜駅、フェリー乗り場など市内各所に、大小さまざま約30本近く飾られるようになっているとのこと。

JA西宇和本店のみかんツリーは、来年3月ごろまで飾られるそうだ。またランプを作るためにくり抜かれたみかんの実は冷蔵され、来年、ジャムに加工される予定。こちらもちょっと魅力的だ。

「愛媛」はやはり本気だった。


みかんツリーが輝く八幡浜のクリスマス(写真提供:西川久美さん)