身だしなみも大切だが、まずは中身の確認を

写真拡大

2015年10月に、消費者庁が「一部の毛染め商品(ヘアカラー)で皮膚障害が発生している」との報告書を発表したことを受け、日本皮膚科学会は使用にあたって、事前にパッチテストを受けるなどの対策を実施するよう呼びかけている。

消費者庁によると、毛染め商品による健康被害は、髪の毛を明るくするものから白髪染めまで、年代や性別を問わず年間200件程度報告されており、子どもにも被害が確認されているという。

皮膚障害の多くはヘアカラーリング剤が皮膚に付着する「接触皮膚炎」だが、カラーリング剤の中で最も使用されている「酸化染毛剤(ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染め、アルカリカラー)」に含まれる「パラフェニレンジアミン」という物質は、他のカラーリング剤と比べてアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすく、特に注意が必要。これまで異常を感じたことのない人も、継続的に使用するうちにアレルギーを発症する可能性がある。

症状が軽くても、再度使用すると重症化し、人によっては頭皮だけでなく、顔面や首などにまで広がり、目が開けられないほど腫れ上がるといった、日常生活に支障をきたす例も報告されている。

皮膚科学会は、酸化染毛剤を使用する前に腕の皮膚に少量を塗り、皮膚の反応を確認するセルフテストの実施を徹底し、かゆみ、赤み、痛みなどの異常を感じた場合はすぐに医療機関を受診するよう呼びかけている。

(Aging Style)