東京都民と神奈川県民、一見おとなり同士の仲良しだが、こと「移動」については、一筋縄ではいかないようだ。2015年11月25日、こんなツイートが投稿されて話題になった。

ここでの「軽率に」は、おそらく「気軽に」の意味合い。つまり、神奈川から東京へはフットワーク軽く向かうが、東京から神奈川へは腰が重いということだ。

このツイッターユーザーは神奈川県民だけでなく、千葉県民もまた、同様のやりきれない思いを持っているのではと指摘している。もしかすると、埼玉県民なんかも似たような印象を持っているのかもしれない。

横浜までは近いのに...(Nullumayulifeさん撮影、flickrより)

一部神奈川勢からは「来てもらったところで...」

ツイートに対して、神奈川勢からは「たまには来てよ!」という反応がある一方で、「来ても何もない」との率直な感想もある。たしかに都内の方が、渋谷や新宿、池袋など、交通の要衝になる繁華街は多い。

「東京勢」は、どう考えているか?

では、「東京勢」の意見はどうなのか。東京23区出身の記者に聞いてみると、やはりそんな傾向があるようだ。

「もちろん『来てくれるのが当たり前』とは思いませんが、多摩川を越えて神奈川へ行くのは、ちょっとハードルが高い気がします。横浜どころか川崎市内、ヘタしたら多摩川沿い(都内)の多摩市や稲城市ですら、行くのがおっくうな時がありますね」

とはいえ、実際の所要時間では(場所にもよるが)東京〜神奈川も、都内の移動と大差ない。たとえば、渋谷から横浜まで26分(東急東横線・特急)なのに対して、渋谷から吉祥寺までは最短16分(京王井の頭線・急行)。都内を移動するのと、わずか10分しか変わらないが、そこには時間や距離では測れない、大きな隔たりがあるのかもしれない。