平成16年中の廃棄物事犯が過去最多の3166件で検挙人数は4684人・320法人だったことが、警察庁のまとめで分かった。検挙件数は、平成12年の1680件からほぼ倍増。産業廃棄物の排出事業者による不法投棄事件も過去最多の320件で、廃棄物事件の増加傾向が浮き彫りになった。

 昨年の産業廃棄物事件では、行政指導、命令を無視した悪質な事例が目立ち、前年比26件増の78件だった。岐阜県では、中間処理業者が収集運搬業者らと共謀して平成16年3月までの12年間に、県内外の解体業者から木くずや廃プラスティックなど約52万立法メートルを不法投棄する大規模事件が発生。廃棄物処理法違反容疑で3法人を検挙、9人を逮捕した。茨城県では、同県内の無許可廃棄物処理業者らが再三の行政指導を無視、平成15年10月から翌年4月まで自社処分場に廃プラスティックなど約7万3000立方メートルを不法処分していた。排出事業者など20法人の34人を検挙した。

 また、軽油取引税の脱税を狙った軽油の密造で生じた硫酸ピッチやスラッジの不法投棄などでは171人、27法人を検挙し、過去最多だった。廃棄物事件以外では、オオタカ、ハヤブサの違法捕獲や、インターネットを使ったパンダのはく製の譲渡など、種の保存法違反事件があった。

 廃棄物事件は平成2年から、産業廃棄物事件は平成10年から統計を開始。鳥獣保護関係事犯を含めた環境事犯全体では3674件、5292人・338法人だった。【了】