By Magalita Biancocanto

世界最大規模のスマートフォン・タブレットメーカーのサムスンが、従来のWi-Fi通信の5倍の転送速度を実現する60GHz帯域を使った新しい高速Wi-Fi技術を発表しました。1GB分のムービーをHDDへ書き込む速度よりも、無線でダウンロードする転送速度の方が素早い、という高速通信技術となっています。

Samsung Electronics’ 60GHz Wi-Fi Technology Accelerates Data Transmission by Five Times | Samsung Electronics Official Blog: Samsung Tomorrow

http://global.samsungtomorrow.com/?p=43234



サムスンは従来の5倍の通信速度を可能にする60GHz(ミリ波帯域)Wi-Fi技術を発表しました。既存のデバイスの通信最高速度は866Mbps(108MB/秒)ですが、サムスンの新技術では転送速度は最高で4.6Gbps(575MB/秒)に引き上げられます。Wi-Fi経由で3秒以内に1GBのファイルをデバイスにダウンロードできるほか、圧縮されていないHD画質の動画でも、モバイルデバイスからTVへ遅延ゼロのリアルタイムストリーミング再生が可能とのこと。



By Sam

60GHz帯の周波数は壁などの障害物を通り抜けることが困難であるため、家屋全体をカバーするのは難しいと言われていますが、サムスンはこの問題を解決できる「広範囲ビーム形成アンテナ」を開発済み。既存のWi-Fi周波数帯である2.4GHz帯/5GHz帯の技術とは異なり、サムスンの60GHz帯(802.11ad)Wi-Fi技術は共同チャンネルの干渉を除去することで、デバイスの接続台数に限らずに最高速度を維持することができるということです。

サムスンのDMC研究開発センターのトップであるキム・チャン・ヤング氏は、「我々は新しい60GHz帯無線技術の商業化を目指しており、視聴覚製品や医療機器などを含む電気通信機器で使用されるでしょう」と話しています。