中国北東部に位置する黒龍江省は資源に恵まれた工業の盛んな省だが、2014年第1四半期の域内総生産はわずか4.1%増にとどまった。中国メディアの第一経済日報は19日、黒龍江省にある大油田・大慶油田から「採掘されるのは水ばかり」とし、黒龍江省の経済不振の1つの原因となっていると伝えた。

 記事によれば、1960年に採掘が開始された大慶油田中国最大級の油田であり、27年間にわたって約5000万トンのエネルギー資源を生産し、さらに10年間にわたって約4000万トンのエネルギー資源を生産するなど安定したエネルギー供給源とされてきた。

 大慶油田公司の会計士は2010年、「大慶油田で採掘される原油の含水率は90%以上だ」と語っている。つまり、地下から組み上げた原油や水、ガスといった混合物のうち、原油の割合は10%にも満たず、9割以上が水ということだ。かつては中国最大の油田だった大慶油田だが、12年に長慶油田にエネルギー資源生産量で追い抜かれてしまった。

 中国のエネルギー消費は石炭が中心であるものの、石油の消費も急速に伸びている。1993年に純石油輸入国となった中国は石油需要の55%を輸入に頼るなど輸入依存度が徐々に高まっており、大慶油田中国のエネルギー戦略上、今なお大きな価値があると言える。

 しかし、記事によれば「新しい技術がない限り、大慶油田で年間2000万トンのエネルギー資源を生産することも難しい」という。中国石油大学の董秀成主任は第一経済日報に対し、生産減退が進んだ油田から安定的にエネルギー資源を生産することは極めて難しいと指摘、「安定生産を行おうとすれば投下しなければならないコストが増え、利益が圧迫される」と語った。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)