参院選で当選を果たした俳優・山本太郎氏(38)が、直後のインタビューの中で「僕自身が裏切って、支援者に命を狙われるのが怖い」と意味深な発言をした。この言葉が、山本氏の当選を報じた新聞などで紹介され、いったい何事かと波紋を広げている。山本氏は何を言いたかったのか。

2013年7月21日午後9時過ぎ、早々と「当確」を得た山本氏は詰め掛けた支援者に囲まれていた。はしゃぐ周囲をよそに、山本氏は「浮かれているわけには行かない。これからがイバラ道」といい、ひとり神妙な表情だった。

反対派に命狙われることは怖くない

山本氏は、マスコミ各社からの質問に応えながら、2011年の震災直後、公然と「脱原発」の声を上げ始めたころについて、

「一番最初に声を上げたときには、しがらみだらけの世界(芸能界)にいた。なので、その中で声を上げるというには恐怖感がありました」

と振り返った。しかしその「恐怖感」は、デモ活動などを通じて全国を回り、「みんなと横でつながっていく」ことによって、薄れていったという。そして人々の力を借りて参院入りを果たした今、「もう、怖さはないですね」と胸を張ってみせる。

「僕はもう、既得権益の中にある企業にとってみたら、すごくうっとうしい存在だと思うんですよ。あと権力側にとってもすごくうっとうしい存在だと思うんです。そういう意味で自分自身がつぶされたり消されたりする可能性はあるんですけど、そこは怖くないんです」

そしてそれに続けて、こう言い放ったのだ。

「僕に力を貸してくれた人たち、一緒にもっといい日本にしていこうということで力を貸してくれた人たちを僕自身が裏切って、命を狙われることが一番怖いということです」

「命狙うような相手に支援されていたのか」

支持者からは大きな喝采で迎えられたこの発言、「既成勢力からの圧力を恐れず、支持者を裏切らないようがんばりたい」というニュアンスだったのだろうが、「命を狙われる」という危ない言い回しだけに、驚いた人も多かったようだ。山本氏の口調が大真面目なのも、物騒さに拍車をかける。この発言が報じられると、ツイッターなどでは、

「つまりどういう事なんだってばよ?」
「異様なコメントやな…」

と首をかしげる人のほか、

「どういう人達が頭に浮かんでいるんだろう!?」

などと、言葉の意味を裏読みしようとする人も少なくない。

一方、当選で「時の人」となった山本氏は明けて22日、積極的にテレビなどへ出演した。

生出演した「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)では、

「市民運動と政治との距離を縮めるという役割を果たさないといけない」

と抱負を語っている。