日本人観光客が消えた韓国 デパートやホテルは軒並み売上減少

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韓国であることを忘れるほど日本語が飛び交っていたソウルの明洞(ミョンドン)から、2012年10月以降、日本人観光客の姿が目に見えて減少している。昨年から日韓関係が冷え込んでいるのに加え、円安ウォン高が進んでいるためだ。これまで日本人観光客によって潤っていたホテル、免税店、デパートなどは大きなダメージを受けているという。

韓国メディア「アジア経済」によると、ロッテデパートの昨年9−12月の日本人観光客による売上高は、前年同期より15%近く減少した。ロッテ免税店を訪れる日本人観光客数は、2010年は240万人、11年は300万人と大幅に増加していたが、昨年は310万人とプラス10万人止まりとなり鈍化傾向を見せている。

韓国を訪れる日本人の多くが女性であるため、化粧品業界にもマイナスの影響が出ている。日本人女性に人気のある化粧品ブランド「ネイチャーリパブリック」の場合、2012年上半期の外国人による売上高は日本人が6割を占めていた。しかし下半期になると日本人と中国人の割合が入れ替わり、中国人が6割、日本人が3.5割、その他が0.5割となった。

ロッテホテルやプラザホテルのような特級クラスのホテルも悲鳴を上げている。ロッテホテルソウルは10−12月の日本人利用客数が前年同期より3割減少し、その影響でホテル全体の外国人利用客数が2割減った。プラザホテルも10月以降、日本人利用客数が平均2−3割ほど少なくなった。

デパートや免税店、化粧品ブランドなどの場合、日本人観光客の代わりに中国人観光客を獲得すれば売上は維持できるが、特級ホテルの場合は元々中国人の利用率が低く、代替需要が期待できないため影響はより深刻だという。

一方、円安の影響で日本への旅行商品は人気を集めている。海外旅行専門サイトには、今年に入ってから2週間で日本行き航空券の予約率が前年同期より63%増加した。温泉を訪れる旅行商品も人気で、予約数は急激に伸びているという。

日本人観光客の急激な減少は、韓国の観光産業に大きな影響を与えている。

参照:アジア経済

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