イングランドで大きな疑問が上がっている。来シーズン、マンチェスター・ユナイテッドを率いるのは誰なのか? 71歳、マンUで27年となっても、アレックス・ファーガソン監督は契約を延長するのか。あるいは、引退するのか? もし引退するなら、誰が後継者となるのか?

現時点で確率はフィフティ・フィフティだ。今季の行方次第のところも大きいだろう。マンUは少なくとも一つ、重要なタイトルを獲得したいと望んでいる。去年はスーパーカップのみに終わったからだ。そして、欧州の舞台で再び主役になりたいと願っている。

ファーガソン監督が続投するという兆しはある。香川真司やパウル・ビュットナー、ニック・パウエルといったタレントたちを獲得した。ロビン・ファン・ペルシ獲得の最大の立役者でもあった。何かと騒がしいナニを退団へと追いやるかもしれない。アーセナルからセオ・ウォルコットを獲得するのも、彼かもしれないのだ。ニューヨーク市場への上場にも率先して関わったファーガソン監督は、赤い悪魔の明白な君主であり、イギリスサッカー界で最も影響力のある人物に変わりないのである。

だが、より目に見えないものの、サー・アレックス退任へとつながる兆しもある。マンUの幹部は注意深くレアル・マドリーのジョゼ・モウリーニョ監督を追っているのだ。再びファーガソン監督と対戦したいとしつつも、同監督は先日からプレミアリーグ復帰希望を繰り返している。

ファーガソン監督の後継者は、文化的なことから、ペップ・グアルディオラ監督ではなく、モウリーニョ監督だろう。その独裁的な性格、勝者のメンタリティー、メディアとの関係をこなす能力は、ファーガソン監督と同じだ。英語も駆使する。

モウリーニョ監督はプレミアリーグ復帰を望んでいることを隠したこともない。彼の「スーパーエゴ」が、マンチェスターへと後押しする可能性はある。サー・アレックスの後を継ぎ、できればそれを上回るという、キャリアにおける新たな挑戦に向けて…。

“大穴”となるのは、元マンU選手であるオレ・グンナー・スールシャール監督だ。39歳で現在はモルデの指揮を執る。だが何よりも、彼はマンUで生き、あの有名なバイエルン・ミュンヘンとのファイナルでゴールを決め、マンUにチャンピオンズリーグのタイトルをもたらした人物だ。

最後に決めるのは、ファーガソン監督となる。彼はモウリーニョ監督に対する評価を隠したことがない。だが最近は、スールシャール監督のことも称えている。この件は、プレミアリーグ全体の動きに影響を与えるだろう。