2011年5月8日に行われ、ジェノアが2−1と勝利したジェノアとサンプドリアのダービーマッチに対する八百長疑惑に関して、スポーツ詐欺の罪で捜査されていた元ジェノアのドメニコ・クリッシト、オマール・ミラネット、ダリオ・ダイネッリ、ロドリゴ・パラシオの4選手について、ジェノヴァ検察は起訴しないことを決定した。

ジェノアのウルトラスであるマッシモ・レオピッツィ氏の電話盗聴記録で、ジェノア対サンプドリア戦が八百長だったと疑わせる発言を同氏がしていたことから、前述の4選手は八百長を疑われたが、ジェノアのキャプテンであるMFマルコ・ロッシや、元サンプドリアのルチアーノ・ザウリが、八百長の可能性について一切知らなかったと否定したことが、決定的となったようだ。

クリッシトにとっては勝利であり、解放された形だ。だが、EURO2012という舞台を彼に返すことは誰にもできない。クリッシトはポーランドとウクライナに喜んで向かったはずだが、イタリアサッカー連盟とチェーザレ・プランデッリ監督の考えは違った。捜査通知を受け取ったことで大会に参加できないこととなったクリッシトは、起訴断念の知らせを受けて次のように話している。

「EUROに行っていれば、すべてを忘れて、大会が終わってからこの件に再び向き合っていただろう。これほど重要なトーナメントに参加できなかったという怒りは残っている。だけど、起訴断念には満足しているし、その知らせを受けても驚かなかった。正義がなされたんだ。こうなると分かっていた。僕が捜査されたのは一枚の写真のためだったけど、僕はまったく別のことを話すためにそこにいたんだ。これからはもっと気をつけなければいけないと学んだよ」

なお、クレモナ検察の捜査による違法賭博・八百長事件の裁判で、パオロ・ドメニコ・アチェルビスとイナシオ・ジョゼ・ジョエルソンの2選手は司法取引を要請し、規律委員会はこれを受け入れた。両選手は2年6カ月の停止処分で司法取引。ジョエルソンは1万ユーロ(約100万円)の罰金も支払わなければならない。