ロンドン五輪は29日、エクセルで柔道男子66キロ級の準々決勝を行い、日本の海老沼匡(まさし)(パーク24)が延長戦の末、韓国のチョ・ジュンホを判定で下し、準決勝に進出した。しかし、その判定を巡って波紋が広がっている。韓国の複数のメディアが報じた。

 韓国メディアは、「チョ・ジュンホ、釈然としない判定に泣く」「柔道宗主国日本の見えざる力、健在」「覆った判定を超えて、韓国柔道初のメダル」と題し、チョ・ジュンホは釈然としない審判判定の犠牲になったが、結局は韓国柔道初のメダルを掴み、名誉の回復に成功したと伝えた。

 29日の準々決勝は延長戦でも決着がつかず、旗判定となった。最初は3審判全員が青旗を上げてチョ・ジュンホの勝ちとしたが、日本のコーチ陣からクレームが上がり、また場内からはブーイングが起こった。その後、審判委員席から異議が出て再判定となり、最終的に白旗3本で海老沼選手の優勢勝ちが決まった。

 韓国メディアは、審判の判定が覆されるのは空前絶後であり、柔道宗主国である日本の目に見えない力が作用した釈然としない判定だったと批判した。韓国のネット上では、誤審ではないかと激高する反応が見られたという。また、日本でも3人の審判が判定を覆したことに、疑問を呈するメディアもあると相次いで報じられている。

 一方、チョ・ジュンホは敗者復活戦でスペインのスゴイ・ウリアルテを延長の末、判定で下し銅メダルを獲得。8強戦では釈然としない判定で海老沼選手に勝利を奪われたが、その「判定論争」を超えて有終の美をおさめ、これまで以上に尊い銅メダルだったと評した。(編集担当:李信恵・山口幸治)