ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役が13日、パリからミラノへと戻った。2日間、パリ・サンジェルマン(PSG)と交渉したが、チアゴ・シウバはまだミランの選手だ。13日朝になって、何かが変わったのである。ミラノから交渉を止めるシグナルが出たのかもしれない。

この短い時間で何が変わったのだろうか? ファンの感情がミラン首脳陣を、帳簿という現実から心の決断へと選ばせたのかもしれない。サポーターは、チアゴ・シウバ抜きの展望が気に入らず、あまりに大きすぎる犠牲で、チームの国際的競争力への影響は避けられないと見ている。

実際、ミランのサポーターは自分たちのウェブサイトやクラブ公式チャンネルを通じ、抗議の声を上げている。さらに、FWアントニオ・カッサーノからFWズラタン・イブラヒモビッチまで、チームメートたちも不満を表している。沈黙しているベテラン選手たちも、チアゴ・シウバ売却がチームの士気に影響するとフロントに伝えている。

それでも、12日夜まで、ミランとPSGはほぼすべてにおいて合意に達していた。PSGは、提示額を4200万ユーロ(約42億円)まで増額したのだ。ただ、ボーナスの詳細は決まっておらず、だからこそ12日の4時間の交渉では話がまとまらなかった。

PSGのレオナルドSD(スポーツディレクター)は13日朝、「ミランとの話は続いている。ただ、まだ何も決まっていない。とても長く、複雑な話し合いだ。今日、どうなるかを見てみよう。確実なのは、まだ何も定まっていないということだ。ガッリアーニとは友人だが、それは何の意味もなさない。私は楽観も悲観もしていない」と話した。

その後、レオナルドSDは夜になって、「ガッリアーニとは話し続けている。交渉はまだオープンだ。だが、この状況が長く続いてはいけない。まだ埋めるべきことはたくさんあり、多くの点を片付けなければならない。現時点では、我々がチアゴ・シウバ獲得を諦めることもあり得ると言っておく」と述べている。

なお、13日はフランス市場がオープンし、ナポリFWエセキエル・ラベッシの獲得が正式発表されるかと思われたが、レオナルドSDは「来週話そう」と語った。

ミラノに戻ってきたガッリアーニ代表取締役は、「チアゴ・シウバ? どうなるか、見てみよう。まだ待たなければいけない」とコメント。シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長と電話で話している。PSGはオファーを提示し、ガッリアーニ代表取締役はミラノにそれを持ち帰った。あとは、ベルルスコーニ氏が決めることだ。