海外にある日本人街と中華街を比較すると、日本人と中国人の違いがよく分かる。特に南米に存在する日本人街と中華街は地理的条件から本国の影響をあまり受けることがなく、過去200年の間に自由な発展を遂げてきた。

 中国人ブロガーの「孤独川陵」さんはこのように述べて、ブラジルの日本人街とチリの中華街の違いを自身のブログで取り上げた。

 ブラジル・サンパウロにある日本人街を見ると、そこは日本独自の特色を深く残していることが分かる。それは建築物のようなあまり変化のないものに関してではなく、生活習慣のような変化しやすいもののなかに存在する。例えば日本人街はどこも清潔で、店内もきちんと整理されており、外壁の落書きもほとんどない。

 一方、チリ・サンティアゴにある中華街は、サンティアゴの街自体がヨーロッパのような美しさであるのに対して、中華街は目も当てられない状態だ。

 サンパウロの日本人街とサンティアゴの中華街を比較するとその違いはより大きくなる。建物そのものには大きな違いはないが、建物のなかに大きな違いが存在し、特にひどいのが壁のいたるところにある落書きだ。

 これらの落書きは地元の人びとの仕業かもしれない。では、なぜ日本人街に落書きをする人はいないのだろうか。法律による規制以外に、地元の人びとは日本人コミュニティに対して敬意を示しているのではないだろうか。これらの敬意はどこから来たのか。なぜ中国人は敬意を得られないのか。筆者はこうした点について考えてみるべきだろうと指摘している。(編集担当:畠山栄)