はじめに

 今回のテーマは,

 ローテーションを守ることに固執しては,疲労でパフォーマンスを維持できないのでは?
 という可能性を検証しようと考えました。今回も,このシリーズを進めていく上での準備段階に当たります。何を準備するかといいますと,

 何を持って,先発投手がローテーションを1年守ったといえるか

 という基準を決めることです。そこまで厳密に決める必要は無いと思いますが,目安くらいはあった方がいろいろやり易くなりますのでちょっと分析しています。

 前回の分析で2011年に20〜31試合登板した投手の登板スケジュールを分析したのですが,スケジュールに隙間が目立ち始めるあたりが25試合前後という感じでした。とはいえ,20〜31試合登板した投手を一人ずつ分析しただけなので,この25試合前後辺りをもう少し詳しく分析してみたいと思います。


分析対象選手

 分析対象選手のリストを表1に示します。2011年に救援登板の経験のない選手が対象です。データは「プロ野球ヌルデータ置き場」様を参照しています。

表1


登板間隔

 それでは,これらの選手の登板スケジュールを図1に示します。

図1


 今回は同じ登板試合数の選手を集めたのですが,結構間隔が違うのがわかります。しかし,これはあくまでも図を見た印象なので,もう少し丁寧に見て行こうと思います。というわけで,各選手の登板間隔を以下に示します。

 まずは,24試合に登板した3選手のデータを表2-1に示します。

表2-1


 この表の見方は,「1-2」というのが登板1試合目と2試合目の登板間隔を示しています。渡辺選手の場合は,登板1試合目が4月16日で2試合目が4月21日なので登板間隔が4日となっています。通常の計算と違っていたら申し訳ありません。

 赤字になっているところは,交流戦の終了時とオールスターで4日ほど日程が空いたのですが,その期間を含む登板間隔です。

 続いて,25試合に登板した5選手のデータを表2-2に示します。

表2-2


 表の見方は,表2-1と同じです。続いて25試合に登板した8選手のデータを2つにわけて表2-3と表2-4に示します。

表2-3


表2-4


 これらのデータを見ると,やはり交流戦とオールスターを挟んだ赤字の登板間隔は長めになっていますが,タイミングよく直前と直後に登板して,普通の登板間隔と変わらない投手もいます。

 この登板間隔について,各投手がどのくらいの登板間隔で投げたかをまとめたものを表3に示します。

表3




↑これをスライドさせると表の右側が見えます

 この表の見方は,例えば,渡辺選手の6日の欄に13とありますが,これは登板間隔が6日の場合が13回あったことを示しています。武田選手以外は登板間隔が6日の試合が一番多いことがわかります。登板間隔が6日,つまり週1回の登板が最も多いということで,この辺りが日本での標準的な登板間隔といえそうです。


まとめ
 さて,これらのデータを見たところで,「先発投手がローテーションを1年守った基準はどこだ?」と言われると,どうだろう?というのが今のところの感想です。今回見た選手達は全員ローテーションを守ったといえるでしょうか?即断できる選手は少ないなぁという印象です。どうもこの辺りは汽水域のようなもので,チームの事情も異なることですので,これ以上は選手ごとに細かく見ていく必要があると思います。とりあえず今後の指針としては,登板試合数の多い投手から分析して行こうと思います。

 はっきりとした結論が出なくてもうしわけありませんが,今回データをまとめた方法が,投手の登板間隔を整理していくノウハウとなれば幸いです。


おわりに

 どうもご無沙汰しました。

 かけもちで始めた方のデータ整理やもろもろで時間をとられてしまいました。両方を週1くらいで更新できればと考えているのですが,難しいですね。

 とりあえず,準備はこのくらいにして次回は選手の分析をして行きたいと思います。

 それでは,今日はこの辺りで失礼します。


データ引用&参照サイト

 ・プロ野球ヌルデータ置き場

 いつもお世話になっています