日本サッカー協会は2日、C大阪の清武弘嗣(22)が左ふくらはぎの肉離れのため5日にヨルダンで行われる五輪予選シリア戦を欠場すると発表した。清武は1月のグアムキャンプでも直前に発熱。参加が危ぶまれたがその後キャンプには復帰し、今回のカタール合宿でも調整は順調と見られていた。しかし1月31日のイラクとの練習試合で左足を負傷。一転チームから離脱する事となった。U−23代表はキャンプを打ち上げヨルダン入りするが、清武はそのまま帰国する。清武の代わりの選手の追加召集はされずU−23は20名でシリア戦に臨むことになる。

 U−23日本代表には非常に厳しい事態となった。五輪予選にはクラブ側への拘束力がないため海外組の召集は適わない。厳しいチーム状況の中、エースと期待される清武の離脱は日本代表にとっては大きな痛手だ。前回勝ち点3を奪った11月のシリア戦では清武は不在だったが、ホームでしかもシーズン中という好条件の中であったにも関わらず結果は2−1の辛勝。決勝点を決めたメンヘングラッドバッハの大津祐樹(21)も今回は召集出来ていない。

 5日のアウェイ戦は11月とは違いJリーグのオフ期間に行われるゲームだ。J所属選手にとっては3月開幕に向けて身体を作っていく途中での試合であり、調整の非常に難しい時期だ。だからこそ現地に近いカタールでの合宿を行い、アラブ勢相手の練習試合まで組んで万全を期したが、そこで主力の故障が起こるという残念な事態となってしまった。

 関塚監督は追加召集を行わず現有戦力でアウェイ戦を乗り切る構えだ。シリアは全体的にフィジカルが強くスピーディなプレーをする。特にFWのアルスーマは前回のホーム戦で高い技術力と人に強いところを見せつけた。3次予選ではクウェートにアウェイで敗れている日本。清武不在で非常に厳しい戦いになるのは避けられそうもない。負ければ勝ち点で並ばれ最終予選突破に黄色信号が灯る。運命のアウェイ戦はあと2日後だ。(編集担当:田村和彦)