テニス全豪オープンの第8日目男女シングルスが23日、メルボルンで行われ、男子シングルス錦織圭(フリー)はシード第6位のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)を2―6、6―2、6―1、3―6、6―3で破った。

 フランスでは、2008年開催の全豪オープンで惜しくも準優勝だったツォンガに対し、優勝の期待が高まっていた。ツォンガが敗戦したことに加え、対戦相手がフランスではほぼ無名であった錦織であったため、この結果はフランスに驚きをもたらしている。

 フランスのラジオ局のサイト「Europe1」では、好調のコンディションだったツォンガを破ったのは、優勝候補と名高いプレーヤーでなく、ほぼ無名の存在であった錦織圭だったと記し、錦織について紹介している。

 まず、錦織は乗馬や体操に向いてそうな小柄で細身な体格と語る。しかし、テニスを選んだ錦織は、スピードがあり、すぐに実力を発揮し、アメリカに留学したと説明。

 アメリカでも錦織は足を使ってよく走る素晴らしいプレーで頭角を現した。ボールがどこに飛んでも走って追いかけていき、また小柄な体にもかかわらず強い球を打つ、迅速で相手が弱気になるような試合をするとつづっている。  錦織は、フランスでこそ無名に近い存在だったものの、2008年から国際的な大会でも活躍するようになり始めた。2009年には怪我をし、その回復に時間がかかったものの、より強くなって国際的な場面に帰ってきたと述べている。

 今回の全豪オープン準々決勝戦進出は、日本人では快挙とも言えるが、錦織は微笑んでこぶしを上にあげただけで、あくまでコントロールされた喜びを見せたと述べている。今回の勝利は、錦織にとっては優勝までの一段階に過ぎないのだろうとの見方を紹介している。

 プレー面でも精神面でも強いとの印象が持たれており、このためこれからの錦織の活躍にフランスでも関心が高まりそうな様子がうかがえる。(編集担当:山下千名美・山口幸治)