韓国の安東河回村で先月、民宿の主人が台湾からの女性宿泊客にセクハラ行為を働いたとして、物議を醸している。複数の韓国メディアが「世界遺産で外国人観光客をセクハラ」「大恥」などと相次いで報じた。

 安東河回村はユネスコの世界遺産に指定されており、多様な伝統生活や文化を体験することができる。2011年には、韓国文化体育観光部と韓国観光公社が選ぶ「韓国観光の星」にも選定された。日本では韓流スター、リュウ・シウォンさんの実家があることで有名な村だ。

 報道によると、安東河回村で民宿を経営している容疑者(65才)は7月末に、宿泊客の30代の台湾女性客のために蚊帳を設置し、ふとんを敷く過程で女性の肩を揉み、胸の部分を触るなどセクハラ行為を働いた疑いが持たれている。

 被害を受けた女性客は民宿の主人を告訴した。捜査当局の取り調べに対し、容疑者は「女性が疲れている様子だったので肩を揉んだだけ」と主張したが、うそ発見器で「うそ反応」が出たという。

 女性客は帰国後、自身のブログで当時の様子を詳細に書き込み、台湾のインターネットを中心に韓国に対する否定的な反応が巻き起こっているという。台湾当局も韓国側に厳正な処理を要請しており、韓国メディアは「外交問題に飛び火する可能性も排除できない」と懸念を示した。

 一方、警察と河回村管理所など関係当局は、事件の詳細や事後処理に沈黙で一貫していたこと、また、韓国観光公社が担当の警察にメディアに情報を公開しないよう働きかけたことも明らかになり、警察と関連部署による隠ぺい工作を問題視する声も上がっている。(編集担当:金志秀)