交流戦で稼いだ打者、損した打者｜2011年NPBペナントレース
セパの各打者は、打席で両リーグの投手力の差を実感したかもしれない。これを何とか数字で表すことはできないかと考えて、こんな表を作ってみた。ペナントレース、交流戦＝IL、両方で規定打席に達していた打者の、交流戦、リーグ戦での、打率、OPS、IsoDの差を出してみた。OPSとは出塁率＋長打率、強打者の総合的な数値とされる。IsoDは、出塁率-打率。つまり、四球で出塁した率。
上位には、この時期になって調子をあげてきた実力者が並ぶ。10日ほど前の夕方、広島でタクシーに乗った時、何も言わないのに運転手がいきなり「東出が出てる限りだめじゃけえ」とつぶやいた。でも、交流戦では「だめじゃけえ」ではなかった。ただ梵が入れ替わりに酷い不振だ。ブラゼル、マートンも本来の力を出してきた。
しかし、打率でいえば交流戦の方が良かった選手は8人、OPSは7人、IsoDは6人に過ぎない。セリーグの打者にとって、パの投手はレベルが高く感じられたのではないか。特にヤクルト勢の落ち込みが激しい。バレンティンはパリーグの投手の前では、並みの打者になっている。
続いてパリーグ。26人いる。
オリックスの試合は結構見たが、坂口はずっと安打を打っていたような記憶がある。春先の不調を払しょくしたのだ。打率では26人中16人、OPS でも16人、IsoDは14人が交流戦で数字を上げている。ざっくりと言えば、パの打者にはセの投手が「お客さん」に見えたことは間違いがないだろう。注目すべきは、IsoDの高さ。本多、福浦、井口、聖澤、山崎、中田らはセリーグの投手をじっくり見ていたことが分かる。
ただ、圧勝したソフトバンク、そして日本ハムの打者は、リーグ戦よりも成績が上がった選手が少ない。もともとレベルが高くて、伸び代が多くない選手もいたが、少なくともソフトバンク、日本ハムは、セリーグの投手を打ち崩して勝ったとは言えない実態が見えてくる。
では、投手陣はどうだったのか。以下、次を待て。
