4月1日まで1500時間を切りましたね。そろそろ自己分析も終わり、話す内容が固まってきたかと思います。今回は、内容以外の部分で、自分をより良く面接官に見せる方法について書いていきたいと思います。



そろそろ外資系企業の選考も終わり、あと2ヶ月ほどで日系企業の面接が開始されます。日系企業に関しては、1回あたりの面接時間が20〜30分と短くなっているため、伝えられる内容は限られ、評価における第一印象の比重は大きくなります。そのため話す内容に関して練習を繰り返すと、「それ以上内容の余地がない・・・」といった壁にぶつかることもあるでしょう。そこで今回は、話の内容以外の伸びしろである「見せ方」について、お伝えしていきます。

印象を良くする5つのポイント



面接に限らず、対人コミュニケーションで重要となってくるのが第一印象です。それが定まる時間は、おおむね10秒以内という短い時間であるようです。面接ならば、入室から挨拶まで、といったところでしょうか。いったん印象が決まってしまうと、それを覆すのはかなり大変です。礼儀作法など全て完璧にこなす必要はありませんが、基本は押さえておきましょう。

身だしなみ


面接の前に必ず鏡で身だしなみをチェックしましょう。ネクタイが緩む or 曲がっている、襟が折れている、汚れがついている、髪が伸びているという状態だと、最低限のマナーも心得ていないのかと思われて印象は最悪です。たった1分で確認できることですので、駅のトイレ等でしっかりチェックしてから会場に入りましょう。手鏡を携帯すれば、どこでもチェックすることができます。100円均一ショップに売っているので、是非事前に用意しておくといいでしょう。
また、何気に見落とされがちなのは靴ですが、高級ホテルの従業員が顧客チェックする際に第一に見るポイントが靴と言われるほど重要な身だしなみです。面接の前日にしっかり磨いておきましょう。

表情・姿勢



「笑顔」というと難しいかもしれませんが、口角を上げるだけで表情が一気に明るくなります。特に4月以降、面接が連続してくると、体力的にも精神的にも消耗し、疲れが顔に現れがちになります。しかし、口角に気を遣うことで自ずから笑顔になり、声のトーンが上がり、相手に「明るい人だ」という印象を与えやすくなります。面接官も数多くの就活生の対話に疲れておりますので、暗い人よりは明るい人との方が話も弾むでしょう。これについては、話をしている最中より、相手の話を聞いているときに意識するようにしてください。

また、姿勢にも気をつける必要があります。普段背筋を伸ばすことに慣れていないと、時間が経つにつれだんだんと背が丸まってきます。最初は意識して背筋が伸びるようにしましょう。ただ、いつも伸ばし続けなければならない訳ではなく、場の雰囲気が和らいできたのに合わせて多少くつろぐのは許されるでしょうし、話に熱が入って前のめりになったことで背が丸まるというのは自然なことです。状況に応じて判断して下さい。

視線



相手の目、またはネクタイの結び目を見ましょう。視線が定まっていないと、「自信がない人だ」という印象を与えかねません。相手の目を見ていれば(若干鼻寄り)、話を聞いていますよというサインになり、面接官に「真剣に話を聞く人だ」「誠実な人だ」という印象を与えられます。また、これはとあるメーカーの人事の方が仰っていたことですが、「目のタテの動きは考えている証拠、ヨコの動きはウソの証拠」らしいです。この台詞から、人事の評価基準の1つが「視線」であることがわかります。

相槌



私は2つの頷き方を使い分けています。通常の相槌と、大げさな相槌(以下「サプライズ頷き」)です。前者はさておき、後者は「初めて気がついた!」という心境を相手に伝えるために使います。やり方は、眉毛を上に挙げ(ると同時に目も大きく見開くことになります)、口を「あっ!」といった形にします。少しくらい声が漏れるくらいが丁度いいでしょう。それと同時に、普段より大きく頷きます。この大げさな相槌はとても効果的で、面接官にちょっとした「気持良さ」を与えます。

というのも、人は他人に気づきを与えたとき、「相手が知らないことを私は知っている」といった心境が働き、ある種の優越感が生まれるからです。そして「サプライズ頷き」をした後に、さらに質問又は自分なりのコメントを残せば効果抜群です。面接官に「この人は素直に話を聞くことできる」「その場の気づきから、自分の頭で考えて話すことができる、頭の回転の速い人だ」という印象を与えることができるためです。
私は1回の面接で、このサプライズ頷きを必ず1回入れるようにしていました

肩書き


この項に関しては、主に1、2年生が対象になります。就職活動において、自らの大学生活における「肩書き」がある程度効果を持つことは疑いようがありません。だからこそ、エントリーシートにサークルの代表・学生団体の経験が溢れかえることになります。その多くは、実態の無いものであるため相手にされることはありません。

しかし、中には企業から高く評価されるような肩書きもまた存在します。まず、「体育会」という称号は最強です。体育会限定セミナーも存在するくらいですし、企業によっては体育会枠が設けられていると噂されるところもあります(実際にボストンコンサルティンググループでは、SAKURA JOBといった体育会系専用のインターン枠があります)。また体育会系を除くと、学校公認の委員会の幹部、著名ゼミの代表、有名な(歴史があり規模も大きい)サークルの代表といった人々が評価されやすいでしょう。つまり、知名度が高い団体のリーダーを務めた方々です。

企業としてはその肩書きを取得するまでの当人の努力に価値があると見なします。ただ、こういった肩書きを取得するためには団体に一定以上のコミットが必須になりますし、運も関係してくるでしょう。最近では、就活に有利だからといって体育会系に在籍する打算的な動きも見受けられますが、これは当人にとってマイナスだと考えます。
下手に肩書きを追い求めるより、面白そうな活動を見つけたら取りあえず首を突っ込んでみる、といったフットワーク軽い活動も結果的に多くの経験が積めると考えています。

メラビアンの罠



ここまで、いかに見栄えを良くするかについて書いてきました。しかし、話す内容の研鑽も忘れないようにして下さい。よく就活ゼミナーなどで取り上げられるのが「メラビアンの法則」です。

「相手が自分に対して持つ印象は、話す内容である言語情報が7%、声のトーンなどの聴覚情報が38%、表情などの視覚情報が55%の影響を与えている。だから話す内容以外の部分でほとんど決まるのだ!」ということが言われている場合があります。しかし、これに関しては少々誤った解釈が流布しているようです。パオロ・マッツァリーノという社会学者が『反社会学講座』で言及している箇所を引用します。

[note] 実際にメラビアン博士が行った実験とは、こういうものです。「たぶん(Maybe)」の一語を、さまざまな声質で録音し、それを被験者に聞かせてどのような印象を受けたかを調べる。また、さまざまな表情の顔写真を見せながら、「たぶん」の録音を聞かせる。これだけです。のちに、もう少し語彙のバリエーションを増やした追試を行い、その結果から例の五五/三八/七%の数字がはじき出されたのです。
 メラビアン博士が行ったのは、表情と声の実験だけでした。身振り手振りや身だしなみといった要素は研修屋が勝手にくっつけたのです。そもそも、この実験は、言葉の内容と表情(もしくは声質)が矛盾している場合、聞き手は言葉と表情のどちらに重きを置くだろうかと言うことを検証するためのものでしかなかったのです。いずれにせよ、二、三語からなるごく短い文章での実験であり、しかも被験者同士が顔を合わせてすらいないのですから、これをコミュニケーションと主張するのは無理があります。

パオロ・マッツァリーノ 『反社会学講座』 イースト・プレス 2004 pp.111-112[/note]


このメラビアンの法則以外にも、巷に流通している怪しい事実を社会学の立場からズバズバぶった切っていく楽しい本です。
面接で質問されることについてはこちらの記事「全業界共通、個人面接の対策方法」が参考になるかと思います。

最後に


エントリーシートの締め切りも迫ってくると、なかなか「見せ方」にまで気を配る余裕がなくなってくるかもしれません。しかし、相手に与える印象は、非言語的な部分も大いにに作用します。上記の「見せ方」の中で、特に「話し方」についてはで十分改良可能です。同じ内容を話していても、話し方によって聞き手の持つ印象は変わります。
鏡を見て練習したり、日々の友人との会話の中でも実践するなど地道な努力で、より良い印象を持たれる話し方に変化します。友人と模擬面接をし、その際に録画・チェックするとより効果的です。

頑張って下さい。


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