武漢の農民「ひとりの戦い」…土地徴用の警官ら100人を砲撃
湖北省武漢市東西湖区に住む農民の楊友徳さんは、当局の土地徴用に抵抗して、たったひとりの戦いを続けている。5月25日は、強制執行するため警察官を含む約100人がやってきたが、自作の大砲で撃退したという。チャイナネットが報じた。
楊さんは、約1.6ヘクタールの土地を、魚の養殖や牛の飼育、綿花などの栽培のために使っている。政府による使用許可は2029年まで。ところが、土地の徴用と立ち退きを求められた。
中国では、立ち退きを拒み、1軒だけ残った家が問題になることがある。多くは最後に、強制撤去される。楊さんによれば「高額な補償金を求めて、ゴネているだけ」。一方、楊さんの場合には提示された補償額があまりにも低く、「せめて、政府の定める金額を出してくれないと、納得できない」のだという。
2月6日には、強制徴用の準備として、約30人がやってきた。楊さんは威嚇のために準備していた「砲」に打ち上げ花火を込めて発射。しかし、30人は車のかげに身を潜め、花火を撃ち終わると、楊さんをさんざんに殴った。そして「次に来るときは、(家屋なども)強制的に排除する」と言い置いて、去った。
楊さんははその後、打ち上げ花火十数発を撃てる「速射砲」を作成。樹上に、自分が支配する土地を見渡せ、「砲撃」も可能な砦(とりで)を作った。「弾薬」も十分に用意したという。
次に「強制徴用」の動きがあったのは5月25日午後。約100人だったという。めいめいが盾を持ち、ブルドーザーなどの後ろに身を潜めながら前進してきたが、楊さんは樹上の砦から次々に花火を「発射」。「徴用隊」の動きは止まり、警察官の指揮で退却していったという。
楊さんは、再び警官隊などがやってきても、戦うという。接近戦に有効な「ガソリン弾」も開発して、樹上から見下ろす形で発射できるようにした。楊さんは「自分の田畑を24時間体制で守る用意はできた」と語った。ひるむ様子はまったくない。(編集担当:如月隼人)
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