試合後、初代キャプテンを任命された、川保麻弥(兵庫、写真左)、大倉三佳(京都、写真右)。中央は片桐諭GPBL代表
来月開幕する日本女子プロ野球リーグ(GPBL)は20日、兵庫県淡路市にてオープン戦を行った。リーグに参加する2チーム、京都アストドリームと兵庫スイングスマイリーズは、同市内において今月8日より合同キャンプを張っており、オープン戦は2戦目。試合は、14本のヒットを放った京都が、6−1で兵庫を下した。

「やはり試合は緊張する」(深澤内野手・京都)と両チームとも硬さのある中、始まった試合は、兵庫が1回裏に相手のエラーから先制。一方、兵庫の先発、小西投手(26)に4回まで0点に抑えられえていた京都は、5回表、この日、初代キャプテンに就任した5番、大倉外野手(24)がライト前にヒット。「鍛えられて、キャンプで走力が上がった」と言う大倉が、すかさず2塁へスチールを決めると、続く黒木捕手(18)がセンターへタイムリーヒットを放ち同点とした。これで硬さが取れたのか、勢いのついた京都は、8回まで毎回得点。投げても5人の継投で4安打、初回の1失点のみで兵庫を退け、逆転負けを喫したオープン戦第1戦の借りを返した。勝利投手は4回から3イニングを投げ、2安打に抑えた大倉。

この日は合同キャンプ最終日。淡路島特有の風が一段と吹き、陽がかげると寒さも感じられる中、オープン戦には150人を越える観客が訪れた。甲高い声が絶え間なく飛び交うグラウンドを見て、神戸から子どもを連れ観戦に来た女性は「元気がよくていいですね」と話した。試合会場となった佐野運動公園では、6月に公式戦の予定も組まれており、30代の男性も「絶対応援するので、がんばってほしい」とエールを送った。

女子プロ野球リーグは、4月23日午後6時より、わかさスタジアム京都(京都市)において開幕戦を行う。

○大倉三佳主将(京都)
「風が強かったので守備では危うい場面もあったが、ピッチングは良かった。女子野球では細かい野球、走る力がポイントになってくる。キャンプ初日よりレベルは上がったと思うがまだまだ。あと1ヶ月は、連携プレイの精度や投手陣の投げ込みで、チームはまだ一伸びすると思う。(開幕に向けて)プロとしての実感がわいてきた。オープン戦でも胃が痛くなるぐらい緊張した。開幕戦はどうなってしまうのだろうと不安です(笑)」

○大熊忠義監督(京都)
「女子は長打力がないため、つなぐ野球、細かい野球が求められる。2週間のキャンプでどこまでできるかと思ったが、今日ようやく、それが出た。公式戦もこんな戦いになっていく。あと1ヶ月、まだまだ凡ミスがあるので、当たり前のプレイを当たり前にできるようにしていきたい」

(取材・文=小崎仁久)