17日のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦で、アーセナルがポルトにアウェーで敗れ(1―2)ファーストレグを落とした。

 ポルトの2点目は51分、アーセナルDFキャンベルの足に触れたボールをGKファビアンスキがキャッチ、主審はこれをバックパスと判断し、間接フリーキックを与えた。

 アーセナルの選手が判定に抗議している隙を利用して、ポルトは素早くリスタート、パスを受けたファルカオが、ほぼガラ空きのゴールに勝ち越し弾を叩き込み、これが決勝点となった。

 アーセナルのヴェンゲル監督は試合後、カナルプリュス局に「(キャンベルの)バックパスはアクシデント、故意ではなかったと思う」と間接FKの判定自体に不満を述べ、さらに主審がポルトの素早いリスタートを認めたことに「信じられない。私は長年サッカー界にいるが、あんなのは見たことがない。あれでは守りようがない。理解に苦しむ」と怒りに声を震わせた。

 レキップ紙が元国際審判のブルーノ・デリアン氏に見解を求めたところ、同氏は「ペナルティーエリア内での間接FKで、選手が判定に抗議している場合、主審は全員が落ち着くのを待って、壁が作られてからプレー再開を宣告すべきだった」と語っている。

 ちなみにこの試合の主審はマルティン・ハンソン氏。W杯欧州予選プレーオフ、フランス対アイルランド戦でティエリ・アンリのハンドを見逃し、フランスの決勝点を認めた“いわく付き”の審判だ。W杯南ア大会の審判30人のリストにも入っているが、重要な試合で相次いで“疑惑のゴール”を“演出”したとあっては、今後その適性をめぐって議論になる可能性もある。