漫画家がNHKの「ほんっと〜に不愉快!」な対応に取材拒否! 真相を語る

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人気漫画家の唐沢なをき先生をご存知だろうか? 『週刊アスキー』で『電脳なをさん』を連載しているので、インターネットユーザーには知られている漫画家といえよう。さらに、『コミックビーム』では『まんが極道』、『ガンダムエース』では『機動戦士ぶよガンダム』、『イブニング』では『ヌイグルメン!』を連載中で、たとえ名前は知らなくても一度や二度は絵柄を見たことはあるはずだ。

そんな唐沢なをき先生と妻でありエッセイストのよしこ先生が、NHKの人気番組『マンガノゲンバ』の取材を受けていたところ、あまりに失礼な取材だったため取材を途中で拒否。放送の中止が決定していたことが判明した。このことをよしこ先生がブログ『からまんブログ』で激白。NHK取材を拒否したことを伝える報告は以下のとおりだ。

<よしこ先生のブログコメント>
NHK-BSで放送している『マンガノゲンバ』の取材を受けたと書きましたが、残りの取材を拒否してしまいました。つまり、放送も中止です。放送を期待してくれていた方もいらしたと思うんですが、大変申し訳ありません。また、残りの取材で協力してもらう予定だった方々にもご迷惑かけました。申し訳ありません。『ヌイグルメン!』を取り上げる予定になっていたんで、「新たにこの漫画を知ってもらえるいい機会だし、より多くの人に読んでもらえるようになるかも!」と、ガマンしようと思ったんですが、耐えられなかったです。すみません」(ブログより引用)

この文面からすると、NHKの取材班と唐沢先生との間になんらかのトラブルがあったことが予想できる。その後、新たにブログを更新して「NHKと何があったのか」詳細を語っている。

<よしこ先生のブログコメント>
『マンガノゲンバ』の取材、放送を中止してもらった理由ですが、この番組の取材、ほんっっっと〜〜〜〜に不愉快だったからです。びっくりしました。なんというか、インタビューが誘導尋問的なんですよ。ディレクターさんがなをさんに質問し、それになをさんが作画しながら答えるというところを撮影してたんですが、なんか、このディレクターさん、勝手に頭の中で「ストーリー」を作っちゃってるんですよね。唐沢なをき像というか。なをさんは子供の頃から、ずーっと特撮の舞台裏の漫画を描くことだけ考えてた人で、ほかの漫画は全部イヤイヤ描いた漫画で、今、『ヌイグルメン!』で特撮の舞台裏が描けて幸せだあ! ってな感じの筋立てになってるようでした」(ブログより引用)

<NHKの考えと態度・唐沢夫妻の考えを要約>
・事前取材で先生の考えを勝手に解釈して番組の流れを作ってる
・ディレクターが描いた返答をしないと「いや、そういう答えじゃなくて〜」とインタビューやり直し
・ディレクターの「ストーリー」に即した答えを言うまで許してくれない
・インタビューで先生が返答する内容を質問する前から想定してる(想定とずれるとやり直し)
・それでも道筋にない返答だと「あーそれじゃあですね!」と、あからさまに嫌そうに別の質問
・嫌そうな態度されると「この漫画家、使えない答えしか言わない」と思われてるようで不愉快
・「良い答えがいえない俺」という罪悪感から相手が望む返答を本意ではないのに言ってしまう
・先生はヤラセに対して否定的ではなく出演者も視聴者も楽しいヤラセのウソはアリだと考える
・仕込みやヤラセに協力させたいならば、ちゃんと漫画家に事前に協力要請するべき
・『ヌイグルメン!』のネタを夫婦で考えてると言ったら会議の様子を勝手にストーリー化された
・こんなの勝手に考えてくる前に、どういう風に会議やってるのか、なぜ聞いてこない?
・自分のストーリーに合わないことには、聞く耳持たないディレクターだった
・ネタ会議のシーンの撮影で、実際に漫画に使うネタを考えてくれとディレクターに言われた
・「撮影されつつネタ考えるなんて無理」と言っても「いや、それじゃリアルじゃないから」と拒否
・「会議撮影中に考えたネタをそのまま漫画に載せて欲しい」とディレクターから無理難題
※漫画用語では「ネーム」ですが一般的にわかりやすく「ネタ」という表現にしています

などなど、この数倍のムカツキシーンが夫妻にはあったようだが、詳細はブログ『からまんブログ』を読んでみるといいだろう。しかし、なかでもいちばん驚いたのは、『ヌイグルメン!』の漫画取材のためスーツアクター(着ぐるみを着用して演技をする俳優)の方に先生が取材をするシーンを撮影することになり、打ち合わせをしたときのディレクターの発言だ。

このスーツアクターさんに取材したおかげで、漫画の主人公のイリヒトが成長したって感じにしたい。このスーツアクターさんの言葉が、実際に漫画に影響を与えた、という流れにしたい」と、ディレクターが夫妻に注文してきたというのだ。「したい」とはどういうことなのだろうか? 「する」のは先生なのだが、どうしてディレクターの思惑がそこに入ってくるのか理解できない。

この取材、唐沢先生がスーツアクターとしてNHKに言われるがままの演技を要求されたようなものである。そんな皮肉も言いたくなるNHKの取材、あなたはどうお思いだろうか? 最後によしこ先生は「うちの『マンガノゲンバ』の取材はかように不快なものでしたが、ほかの漫画家の先生方の取材がどんな様子だったのかはわかりません。全部が全部、ウチのケースと同様とは限らないことをお断りしておきます」とコメントしている。

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