結婚に向けて20キロ痩せた女性が死亡、「簡単、安全」ダイエットに警告も。

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結婚式当日を最高の状態で迎えるべく、結婚を間近に控えた女性がダイエットに励むというのはよく聞かれる話。しかし、英国のある女性は結婚に向けてダイエットを行い、11週間をかけて20キロの減量に成功したものの、突然倒れ、帰らぬ人となってしまった。

この女性は34歳のサマンサ・クロウさん。クロウさんは体重110キロと大柄だったため、「太った花嫁」になりたくないとダイエットを決心、英国で人気の「ライターライフダイエット」を取り入れることにした。このダイエットは、ライターライフ社で毎週開かれるグループミーティングに参加し、その人に合ったダイエット方針を決め、スープやシェイク、スナックバーを計画通りに食べるという方法。ライターライフ社は「過去12年間で15万人が、効果的に安全に痩せる手助けをした」(英紙デイリー・テレグラフより)そうで、「早く簡単、安全で持続可能なダイエット」と触れこんでいる。

栄養が計算された低カロリーの食品を食べるだけというこのダイエット。BMI指数が25以上30未満の人は「従来の食事に加え、1日3つの食事パックを食べるよう」指導しているのに対し、BMI指数が30以上の人は「1日4つの食事パックのみを食べるよう」指導している。4つの食事パックで得られる摂取カロリーは、食べるものの組み合わせにもよるようだが、同社のウェブサイトによると「約500キロカロリー、平均530キロカロリー」と説明されている。カロリーを抑えて早く体重を落とすという、原理はシンプルなものだ。

クロウさんの体型は身長が約175センチ、体重は約110キロ。BMI指数は37だった伝えられており、ライターライフ社の指導通り、1日4つの食事パックのみを摂取していた。ダイエットは11週間に渡って続けられ、110キロあった体重は約20キロダウン、BMI指数も32まで下がったという。

しかし、昨年6月、自宅にいたクロウさんは突然不整脈を起こして倒れ、一緒に住んでいた婚約者に発見されたが、そのまま帰らぬ人となってしまった。ダイエット中に2回医師の診察も受けていたというクロウさんだったが、以前にも「ライターライフダイエット」を行っていた女性が亡くなる例があったことから、今回メディアの注目を集める事態になった。

デイリー・メール紙によると2006年1月、このダイエットに取り組んでいた25歳の女性は、半年で約63キロの減量をしたのちに、やはり不整脈を起こしてこの世を去っている。また、昨年12月には、「ライターライフダイエット」に取り組んでいた40歳の女性が、指導に従って2時間で4リットルの水を飲んだところ、脳の腫れを引き起こして亡くなった事故が明るみになった。病理学者のアルフレッド・ウォーカー博士は「死に至った原因は不明」としながらも、「低カロリーダイエットと体重減少は関係しているかもしれない」(デイリー・テレグラフ紙より)と、「ライターライフダイエット」との因果関係に含みを残している。

食べる量を減らし、カロリーを抑えるのはダイエットの基本だが、それだけに依って急激なダイエットを行うのは危険な行為。どんなダイエットをするにしても、適度な運動を取り入れ、健康を考えながらじっくり痩せていく方法を心がけておきたい。