「Windows 7」の画面
Windows 7は、マイクロソフトがWindows Vistaの後継OSとして提供を予定している次世代OSだ。正式リリースの予定は未だにアナウンスされていないが、一般のテストユーザー向けβ版が既に配布されたことで、インターネットや雑誌で既にご覧になったことがある人も多いであろう。Windows 7β版の配布は既に終了しているが、テストユーザー向けにアップデートテストを実施したことからも、最終調整に入っていると見られている。

ベールを脱いだWindows 7!期待が高まる次世代 Windowsの最新事情【最新ハイテク講座】

そこで、Windows 7が登場するまでに気になる機能を毎回一つずつチェックしてみようと思う。
今回は、そもそも、Widows7が、話題となっている理由から見ていこう。

■そもそも、Windows 7ってなんで「7(セブン)」なの
Windows 7とは、マイクロソフトが発売を予定している次世代OSだ。「7」という数字は、マイクロソフトのクライアント向けOSとしては7代目のOSにあたることから使用されている。また、システム的には現行のWindows Vistaのマイナーバージョンアップとなる。

表1.クライアント向けWindowsの種類
1代目Windows 1.0
2代目Windows 2.0
3代目Windows 3.x
4代目Windows 95/98/Me
5代目Windows 2000/XP
6代目Windows Vista
7代目Windows 7


■Windows 7の種類はいくつある?
Windows 7には、Windows Vistaと同様に利用目的に合わせたいくつかの種類(エディション)が用意されている。

表2.Windows 7とVistaのエディション
Windows 7Vista用途
UltimateUltimateすべてを望むユーザー
EnterpriseEnterprise大企業向け
ProfessinalBusinessビジネス/コンシューマー上位向け
Home PremiumHome Premiumコンシューマー向け
StarterHome Basic低価格パソコン向け
Home BasicStarter新興市場向け

Windows7の「Home Premium」は現行のVistaと同様のコンシューマー向けエディションとなる。「Starter」は、最近人気を集めている低価格なノートパソコン向けとなる。Windows 7の「Professional」では、Vistaの「Business」とは異なり、「Home Premium」の全機能と企業向けの機能を備える予定だ。

表3.Windows 7β版のシステム要件
CPU32/64ビットプロセッサ(1GHz以上)
メモリー1Gバイト以上
ハードディスク16Gバイト以上
ビデオカードDirect 9対応カード(128MBのメモリー搭載)
光学ドライブDVD-R/Wドライブ


■Windows 7はVistaとなにが違うの
Windows 7は、どのような特徴があるのだろうか。注目されているポイントをチェックしてみよう。

●システムの高速化
Windows Vistaは、その前のOS Windows XPに比べて多機能であったが、快適に動作させるためには高性能なビデオカードが必要であるなどシステム要件が厳しかった。そのためにノートパソコンをメインに使うユーザーの中には、VistaではなくWindows XPを使用するユーザーも多かった。

こうした背景を踏まえ、マイクロソフトではWindows 7の開発ではユーザーから寄せられた声を多く取り入れている。今回のWindows 7ではOSの起動やシャットダウン、スタンバイからの再開する時間をVistaよりも高速化することに注力している。またOSが途中で止まるなどの中断も少なくなり、問題が生じた場合でも迅速に復旧できるようになっている。


●ウィンドウの操作性も向上
Windows 7では、ウィンドウの操作方法にも改良が加えられている。ウィンドウの開閉やサイズ変更、配置がより直観的に行えるようになった。

「Aero Snap」では、 開いたウィンドウを画面の端へドラッグするだけでウィンドウの最大化や、サイズ変更が可能になった。

今まで配置する場所が決まっていたガジェットはデスクトップのどこにでも配置ができるようになり、マウスカーソルをデスクトップの右下の角へドラッグすると、開いているウィンドウがすべて透明になり、デスクトップおよびデスクトップ上のガジェットがすぐに見えるようになった。ウィンドウをすべて最小化する場合も、1回のクリックで済むわけだ。


●アプリ切り換えだけじゃない、強化された「タスクバー」
Windows 7のタスクバーは、アプリケーションを切り替える機能に加え、アイコンの表示順序や固定させるか否かを設定できるようになった。タクスバーのアイコンの表示も大きくなり、大きなプレビュー サムネイルをクリックすることで、目的のウィンドウに簡単にa移動したり、ウィンドウを切り替える前にフルスクリーンのプレビューを表示することもできる。


●タッチパネルにも対応 「Windows タッチ」
キーボードやマウスは多くの作業に適したデバイスだが、iPhoneのようなタッチタイプのデバイスは操作がしやすい。Windows 7では、タッチスクリーンのモニターを利用している場合、画面に触れることでより直感的な操作が可能な「Windows タッチ」をサポートしている。


Windows 7は、ユーザーからの要望を多く取り入れるとともに、キビキビとした動作で快適に使える操作性を実現したことで、Windows Vistaではスムーズに移行できなったWindows XPからの本格的な乗り換えが期待されているといわけだ。

次回からは、Windows 7で改善・追加された機能をひとつひとつみていこう。