イングランド代表のスティーブ・マクラーレン監督は、先日代表からの引退を示唆したリバプールのDFジェイミー・キャラガーの説得を試みると語った。

 キャラガーは代表でチャンスを与えられないことについて、「リバプールで結果を残していたし、代表でポジションを取れると信じていた。しかしこの1年間、センターバックのポジションでは、僕を差し置いて、ジョナサン・ウッドゲイトやレドリー・キングといった選手にチャンスが与えられた。特に、リオ(・ファーディナンド)が欠場した(ユーロ2008予選の)エストニア戦でメンバーに選ばれなかった時はショックだった。僕ももう29歳だ。現時点で代表のレギュラーを取れないなら、今後も無理だろう」と語り、代表引退への決意を語っていた。

 しかし、8月22日にドイツとの親善試合、さらに9月8日にユーロ2008予選のイスラエル戦を控えるマクラーレンは、ジョン・テリー、レドリー・キング、ジョナサン・ウッドゲイトの3選手が負傷で離脱する可能性が高いことから、キャラガーの引き止めに全力で乗り出すつもりだと語っている。

「ジェイミーとはすでに何度か話したよ。来週にも、もう一度話すつもりだ。彼はイングランド代表にとって非常に重要な選手だ。彼の考えは非常によく理解できる。出場機会を与えられずにフラストレーションを溜めている選手には申し訳ないと思っている。ジェイミーの場合は、様々な不運も重なった。それに、多くのポジションでチームに貢献できる選手というのは、そのユーティリティ性が逆にデメリットになる場合もあるんだ。いずれにしても、ジェイミーを失いたくないし、彼は私の構想にもしっかりと入っている」

 リバプールでは不動のセンターバックを務めながら、イングランド代表ではテリーやファーディナンドなどにはじき出される形で、サイドバックでプレーすることも多かったキャラガー。その不満が代表引退を考えるまでに繋がったわけだが、「スティーブを責めるつもりはない。監督が誰でもあまり変わらなかっただろう」と、指揮官への気遣いも忘れない。

 キャラガー説得に失敗した場合は、ポーツマスのソル・キャンベルを招集する可能性を示唆しているマクラーレン。イングランド守備陣でも随一の安定感を誇るキャラガーを失うことは、何としても避けたいというのが本音だろう。