朝は肯定的、夜は否定的になる理由とは Twitterの投稿分析で明らかに
●Twitterに公開された8億のツイートを4年間にわたって研究
イギリスのブリストル大学は、Twitterに公開された8億におよぶメッセージを4年間にわたって分析、その研究結果を科学雑誌『PLOS ONE』に発表した。人間が、どのような言葉を使用するかによって心理状態を推測したものである。その結果、認知スタイルは概日リズムに応じて変化することが明らかになった。つまり、朝は思考が肯定的で論理的となり、夕方には否定的で感情的になることは科学的にも証明されたことになる。
●8億のツイートに隠された70億の語数を調査
ブリストル大学の研究チームは、人工知能のソフトウェアを使用し、2010年から2014年にかけてTwitterでつぶやかれた8億のメッセージを調査した。語数は、70億におよぶ。対象は、完全に匿名化された、英国の54の都市に住む人たち。研究は、ツイートした人々の思考や気分がつぶやきに使用した言葉にどのように反映するのか、一日を通して時間を区切って行われた。その過程では、より現実的に変化を記録できるよう、70におよぶ心理測定パラメーターが用いられた。
●朝から晩にかけての思考の変化
その結果、24時間の概日リズムに従って人々の言葉の使いかたおよび思考のスタイルが変化することが明らかになったのである。人間の思考は、朝と夜では明白な相違があり、時間の経過によって規則的に変化する。起床してまもなく、特に早朝の5時から6時にかけてツイートされた言葉の使い方からは、精神状態が実践的で論理的であり、集中力も高いことが証明された。
逆に就寝前は、不安が巨大化し客観性は低下、感情的で衝動的になることがツイートに使用される言葉から明らかになった。とくに、真夜中の3時から4時にかけてツイートされたメッセージは、感情的で悲観的なものが目立つ。
●社会科学と生物学双方に有益となるメディアの情報
研究チームは、この理由をホルモンのレベルと神経活動の変化にあると推測している。ブリストル大学のスタッフォード・ライトマン教授は、「概日リズムとは、人体のシステムに重要な役割を果たしているため、このリズムが崩れると精神医学や循環器学の分野で疾患を引き起こす可能性もある。これまで、漠然とささやかれていた朝と晩における気分の相違は、科学的にも証明されたことになる。今回の研究は、ソーシャルメディア上のデータを使用することで大規模な神経心理学的な調査が可能になった。メディアの情報が正しく分析されれば、社会科学と生物学双方に有益な情報となる」と語っている。