池坊議長、マスコミへ不満連発 「貴乃花解任」会見で「揚げ足とるのでなく」「事実関係を明確に」
元横綱・日馬富士の暴行問題で、日本相撲協会の臨時評議員会は2018年1月4日、貴乃花親方を「理事解任」とした。
池坊保子議長は評議員会後に会見の場を設け、騒動の終結にはマスコミの「協力」が不可欠だとし、注文や批判を交えながら再三に渡る「お願い」を述べた。
理事解任は初
貴乃花親方の理事解任をめぐっては、17年12月28日の臨時理事会で、理事の解任を評議員会に提案することが全会一致で決定。今回の評議は、それを受けて開催された。
臨時評議員会は、外部の有識者4人と力士出身者3人の計7人で構成され、議長は元文部科学副大臣の池坊保子氏。
決定は理事会同様、全会一致(議長は除く、欠席2人)で理事解任となり、貴乃花親方は理事から役員待遇委員へ2階級降格となった。強制的に理事職を外されたのはこれが初となる。
ただし、18年2月の理事候補選挙に立候補すれば同親方の当選は確実とみられ、実質的に処分期間は1か月程度にとどまることになる。
「報道されると報道されっぱなし」
池坊理事が「すべての膿を出し切りたい」と臨んだ評議会後の記者会見では、マスコミにも「矛先」が向けられた。
貴乃花親方の解任理由や、「(貴乃花親方の言動は)著しく礼を失する」と同親方への非難などが語られた後、今回の騒動を総括するように
「いろんなテレビで一方的に報道されているようなことが多いかと思います」
とコメント。
「報道されると報道されっぱなしで、私どもが『それは正しくないのよ』と申し上げたくても申し上げる場というのが、なかなかありません」
と振り返る。この発言に堰(せき)を切ったように、以降はマスコミへ注文が付けられる。
記者から、貴乃花親方の理事解任で一件落着か、と聞かれると、
「『膿があそこにもあるよ』『ここにもあるよ』とマスコミがほじくるということは私の力の及ばないところですから言及はできませんけど...」
と回答。さらに、
「マスコミの皆さんにはどうか揚げ足をとるのではなくて、そういう方向で報道していただきたいなって願っております」
と要望を示した。
会見の終了が宣言されても、「最後に一言」とふたたびマイクを握り、
「どうかマスコミの方々には、大切な問題で多くの国民が関心を持ちテレビ・新聞などを見てらっしゃいますので、事実関係を明確にしてお出しいただければと思います」
と要請。貴乃花親方のコメントが掲載された「週刊文春」「週刊新潮」の記事を名指しで批判し、
「社のプライドにおいて事実関係をしっかりと把握しながら報道していただければなと切に、切に願っております」
と改めて強調した。